ガラス転移のモード結合理論の性格を明らかにする目的で、2変数のストカスチックモデル(toy Model)を構築したが、これを主に、2種類のおのおのM、N成分から成る系に拡張することによってMとNの比で表わされるホッピングの大きさを、自由にコントロールできる模型を確立した。これにより、現在問題になっている、ホッピングを取り入れた、一般化されたモード結合理論の性格について、知見を得た。また、この模型に基づき、エイジングの研究を遂行した。 また、海外の著名な研究者とのディスカッションにより、モード結合法の視点からみたスローダイナミクスの研究と密接に関連している事項について検証を行なった。 さらに国際ワークショップにおいて科学研究費のテーマである微視的モード結合理論を参加者の中のM.Fuchs博士、W.Gotze教授、W.Kob博士I.Oppenheim教授、F.Sciortino博士と討議し、研究現在進めているMCTの基礎付けに関する研究および緩和過程をもカバーする動的密度汎関数理論の展開についてより具体的検討を行なった。
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