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1999 年度 実績報告書

ボース・アインシュタイン凝縮体の非線形解析

研究課題

研究課題/領域番号 11640387
研究機関東京大学

研究代表者

和達 三樹  東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (60015831)

キーワード凝縮体の相分離 / ボソン-フェルミオン混合系 / ボース・アインシュタイン凝縮 / 凝縮体の崩壊 / トーマス・フェルミ近似 / グロス・ピタエフスキー方程式 / 2成分ボース原子系 / 非線形シュレディンガー方程式
研究概要

磁気トラップ中の中性子ボース原子系でのボース・アインシュタイン凝縮とその安定性について、以下の成果を得た。
1.ボース・フェルミオン混合系に対し、波動関数の従う運動方程式を考察した。フェルミ粒子の数が十分大きな場合、プラズマ物理においてZakharov方程式とよばれる結合非線形発展方程式を導出した。
2.磁気トラップが異方的である場合の凝縮体基底状態を解析した。ガウス型試行関数を用い、変分法によって、引力型である場合の粒子数上限値の導出、斥力型である場合の近似の有効性の検討、を行った。特に、斥力系の場合、凝縮体の幾何学的形状とThomas-Fermi近似の次元数が一致することを明らかにした。
3.2成分ボース原子系の基底状態について、変分法を用いて考察した。同種原子間の相互作用と異種原子間の相互作用との競合により、系の安定性は大きく異なる。特に、異種原子間相互作用が強い引力である場合には、同種原子間相互作用が斥力であっても系の崩壊が起きるという結果は興味深い。また、相分離の可能性も指摘した。
4.凝縮体の安定性を議論するための数学的基礎づけとして、一般的にD-次元の非線形シュレディンガー方程式(グロス・ピタエフスキー方程式)の安定性を解析した。安定性に関するZakharov理論を、磁気トラップ項を入れて拡張し、初期条件を特定せずに崩壊の条件を導出することに成功した。従来の理論では、多くの場合、初期条件を適当に選んでいたので任意性が残っていた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] T. Tsurumi: "Stability of the D-Dimensional Nonlinear Schrodinger Equation under confined Potential"Journal of Physical Society of Japan. 68. 1531-1536 (1999)

  • [文献書誌] H. Morise: "Stability of a Two-Component Bose-Einsein Condensate"Journal of Physical Society of Japan. 68. 1871-1876 (1999)

  • [文献書誌] M. Wadati: "Ground State of a Bose-Einstein Condensed under Axially Symmetric Magnetic Trap"Journal of Physical Society of Japan. 68. 3840-3847 (1999)

  • [文献書誌] T. Tsurumi: "Dynamics of Magnetically Trapped Boson-Fermion Mixtures"Journal of Physical Society of Japan. (印刷中). (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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