エヴァネセント波分光法を用いたプラズマ励起種表面計測の研究

2001 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 11640392
• 研究機関: 山梨大学
• 研究代表者: 桜井 彪 山梨大学, 工学部, 教授 (00092841)
• キーワード: エヴァネセント波 / レーザー分光 / バリアー放電 / プラズマデイスプレイパネル / 準安定励起原子 / 誘電体壁表面 / 壁粒子束

研究概要

1.プラズマ内の誘電体壁における準安定励起原子の振る舞いを外部から計測する技術として、エヴァネッセント波レーザー分光法を開発し、この方法をプラズマ励起種と壁との相互作用の解明の新たな実用可能技術として確立した。
2.上記分光法の一つであるレーザー誘起エヴァネッセント波蛍光法(LIEF法)を最近注目されているバリアー型放電セル(Arガス圧力1〜50Torr封入)に適用し、準安定励起原子の誘電体壁での密度やその時間特性を測定し、壁での粒子束を明らかにした。バリアー放電では二次電子放出など誘電体壁が直接放電に係わっており、プラズマ励起種と壁との相互作用は非常に重要であり、これらの測定結果はバリアー放電に関する大きな知見を与えるものである。
3.LIEF法をプラズマディスプレイパネル(PDP)放電に適用し、マイクロ放電セル内の誘電体バリアー上の準安定励起原子密度を測定し、時間平均値として1x10^<12>cm^<-3>という高い値を得ている。また、レーザー吸収法でセル内の原子の二次元分布を測定した。さらにPDPの高効率化を目指して誘電体材料や電極構造の影響を明らかにするため、排気台脱着可能型の模擬PDPを製作し、LIEF法の適用をはじめている。
4.準安定励起原子の壁での反射の情報を直接的に測定する手段として新たにクロスビーム型のLIEF法を提案した。その可能性を示すために原子同士の衝突効果の少ない低気圧(1Torr)のバリアー放電セルを準備し、実験をはじめた。

研究成果

• [文献書誌] Takeki Sakurai: "New method for measuring plasmas on a surface by laser"Intern. Workshop on Basic Aspects of Non-equilibrium plasmas Interacting with Surfaces, JAPAN. 06-2. 29 (2000)
• [文献書誌] 桜井 彪: "エヴァネセント光を用いた表面近傍のプラズマ診断とマイクロプラズマへの応用"プラズマ・核融合学会誌. 76巻. 449-454 (2000)
• [文献書誌] Takeki Sakurai: "Excited atous in the vicinity of a surface in a barrier dishurge measared by evanescent-wave laser spectroscopy"thin solid films. 374. 157-161 (2000)
• [文献書誌] Takeki Sakurai: "Ar metastable atoms on a dielectric surface in a barrier dirrier discharge measured by evanescent-wave laser spectroscopy"Procecd. 25th Intern. Conf. on phenomena in Ionged Gases. 4巻. 297-298 (2001)
• [文献書誌] Takeki Sakurai: "Baliavior of Ar metastable atoms on a dielectnic surface in barrier descharge and PDP discharge measured by evanescent laser spectroscopy"Proceed. 10th Symp. on Laser-aided Plasma Diagnostics. 24-28 (2001)
• [文献書誌] T.Sakurai: "Measurement of Ar metastables near a dielectric sarface in barrier and plasma display panel discharges"J. Appl. Phys. 91巻8号. (2002)