研究課題/領域番号 |
11640394
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高橋 義朗 京都大学, 大学院・理学研究科, 講師 (40226907)
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研究分担者 |
石川 潔 姫路工業大学, 理学部, 助教授 (00212837)
藪崎 努 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60026127)
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キーワード | レーザー冷却 / 時間反転 / セシウム原子 / イッテルビウム原子 / 光トラップ / 永久電気双極子モーメント |
研究概要 |
まず第一に、我々はCs原子の磁気光学トラップ装置を組み上げ、そこに7.5kV/cmまでの高電場を加えて実験を行い、高電場が磁気光学トラップに与える影響を詳しく調べた。その結果、スカラー-シュタルクシフト分の離調を補正することにより、ほぼ同数の原子数がトラップされることがわかった。また、高電場を加えることによって原子団が拡がる傾向にあることが分かった。そしてこれは、テンソルシュタルクシフトによる、エネルギーシフト及び状態混合により説明できることが判明した。 さらに、Yb原子の光双極子トラップに成功した。約10の6乗個の原子が、約0.1mKの温度の状態でトラップされていることが、冷却CCDカメラによる吸収イメージング画像を測定することにより判明した。特に、フェルミ粒子である同位体171Ybについてもほぼ同様の結果が得られた。そして、光ポンピングを行い、吸収効率の変化から、光ポンピングされていることが確認できた。これは、Yb原子を用いて量子縮退状態を純光学的に生成できる可能性を強く示唆しており、その意味においても大変興味深い。 以上のように、冷却原子の永久電気双極子モーメント測定のために必要とされる、1)高電場の冷却原子への印可、2)光双極子トラップへの移行、3)光トラップ中での光ポンピング、を実現することができ、来年度における精密測定の準備が整いつつある。
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