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電子・陽電子衝撃によるCO_2及びOCS分子の振動励起過程についてのダイナミックスの違いと類似について、比較論的知見を得るため、実験と理論研究を実施した。これら2種類の分子はともに線形分子で電子構造は同じであろうが、CO_2はNon-polar moleculeで、OCSはPolar moleculeという違いがあり、比較研究のためには大変興味がある分子である。まず理論面では、今まで使用した理論の枠組みを基に、相互作用をさらに高精度に決定し、信頼性にたる結果を得られるよう改良し、統一的且つ総合的に電子・陽電子-分子相互作用ダイナミックスの研究にを行った。我々の計算方法は分子の核配向を固定した近似で、分子振動遷移はClose-coupling法で計算している。我々の理論結果は、電子・陽電子衝撃において、OCS分子の3つの振動励起のどの振動励起断面積も同じ大きさを持ち衝突エネルギー依存性も弱いことが分かった。これに比べ、CO_2分子の場合、陽電子衝撃による(100)振動励起断面積が電子衝撃の場合に比べ2桁から3桁弱い結果が得られた。他の2つの振動断面積では電子・陽電子衝撃による振動励起の差はほとんど見られなかった。この結果は遠距離力の双極子相互作用が有るか、無いかによって非常に敏感に左右されることが分かった。我々の実験でも定性的にこれら理論の結果が証明された。結果はアメリカ物理学会誌に発表した。
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