本研究の目的は精密で信頼できる原始コードおよび計算システムを開発し、これを応用した計算を行い、周辺分野の原子データのニーズに応えると同時に、今までにないエキゾチックな電子状態や原子過程についての理解を深めることである。 本年度のはじめから平成12年5月3日まで、カッセル大学(ドイツ)のStephan Fritzsche氏を研究室に迎え、コードのインストールや調整についての共同作業を行った。主な作業はRATIP(Relativistic Atomic Transition and Ionization Properties)コードの調整であった。これにより、非直交軌道関数系を用いての輻射遷移確率や無輻射遷移確率の計算が可能になった。 今年度は、PCワークステーション(Intel Pentium III 600MHz x2)を昨年に引き続き2台購入し、PCワークステーション4台のクラスターを作り上げ、これに並列化Fortranコンハイラ:PGIワークステーションを導入した。さらに、このクラスターシステムをゲートウエイワークステーションを介してネットワークに接続し学内外からのアクセスを可能にした。現状ではtelnetベースではあるが希望する研究者に対しての供用が可能になっている。 現在、いくつかの系に対して計算を進めている。
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