2光束を重ね合わせる光路差可変のマイケルソン型干渉計を試作し、その基本性能を調べた。光路長の変化はステッピングモーターを用いた微動ステージで行う。本研究で開発する予定の3光束を合わせる干渉計では、2つの光路の光路長を可変とし、1つのビームを掃引している間は、他方を固定しておく必要があるため、光路長をステヅプ的に掃引できなければならないからである。ステッピングモーターの刻み幅は50nmに固定されているため、ピェゾアクチュエーターを用いて誤差の補正を行う。 試験用にフーリエ分光装置を組み上げた。光源からの光を広帯域ビームスプリッターで2つのビームに分割し、微動ステージ上に取りつけた2つのコーナーキューブ・プリズムで反射させる。干渉計の一方のアームはステッピングモーターによって光路長を変化させ、他方のアームはピエゾアクチュエーターで位置の微調整や位相変調を行う。ステッピングモーターを2ステップずつ動かすことにより光路長は200nmずつ変化し、400nmまでの分光の帯域幅を得た。He-Neレーザーを測定し、FFTをかけて周波数データに直して、分解能および絶対精度の確認を行った。測定点数を増やしていくと、絶対精度は向上していくが、スペクトルは、ステッピングモーターの移動量の揺らぎなどによってむしろ拡がる傾向があった。
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