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2000 年度 実績報告書

北極PSC粒子成長過程の研究

研究課題

研究課題/領域番号 11640431
研究機関名古屋大学

研究代表者

柴田 隆  名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (70167443)

キーワードPSC / サンドイッチ構造 / ライダー / 核生成 / ボックスモデル
研究概要

PSC粒子の特徴をより正しく再現するために、粒径方向にラグランジュスキームを用いたPSC微物理モデルを新たに構築した。このモデルは過冷却硫酸・硝酸・水の三成分系(STS)、及び硝酸・3水和物(NAT)粒子の外部混合状態とガス成分の凝結による成長を正しく再現することを確認した。
このモデルを用いて温度の変化が総観規模の運動に伴うような緩やかな場合(-10K/day程度)、と山岳波等にともなうよりスケールの小さい擾乱を受けているような場合(-100K/day程度)のそれぞれの場合について、モデル計算を試みた。液滴エアロゾルは温度変化が大きい場合、とくに小粒径の粒子の組成が平衡状態から大きくずれ、硝酸の重量%が増加することを示した。この平衡状態からのずれが固体PSCの核生成をもたらす原因の一つと言われている。
このモデルは光化学モデルに組み込んで、PSC上の不均一反応をより正しく見積もることや、実際に観測データの解釈に広く応用可能である。現在このPSCモデルを光化学反応モデルの中に組み込んで、より現実的なPSCの変化にそったオゾン破壊の評価をおこなうべく準備をすすめている。現在ほとんどの光化学反応モデルはごく簡単なPSCの導入方法しか用いておらず、オゾン破壊の程度を見積もる際の大きな問題点と考えられているが、今回開発したモデルを利用することによりより現実大気に近い条件でオゾン減少を評価することが可能となるであろう。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 林政彦 他: "Size and number concentration of liquid PSCs : balloon-borne measurements at Ny-Alesund, Norway in winter of 1994/1995"Journal of Meteorological Society of Japan. Vol.76. 549-560 (1998)

  • [文献書誌] 石井昌憲 他: "Arctic haze and clouds observed by lidar during four winter seasons of 1993-1997,at Eureka, Canada"Atmospheric Environment. Vol.33. 2459-2470 (1999)

  • [文献書誌] 原圭一郎 他: "Fractionation of Inorganic Nitrates in Winter Arctic Troposhpere-coarse Aerosol Particles containing Nitrates"Journal of Geophysical Research. Vol.104. 23671-23679 (1999)

  • [文献書誌] 柴田隆 他: "On the lidar observed sandwich structure of polar stratospheric clouds,I,implications for the mixing state of the PSC particles"Journal of Geophysical Research. Vol.104. 21603-21611 (1999)

  • [文献書誌] 柴田隆 : "On the lidar observed sandwich structure of polar stratospheric clouds,II,numerical simulations of externally mixed PSC particles"Journal of Geophysical Research. Vol.104. 21613-21619 (1999)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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