研究課題/領域番号 |
11640438
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
三澤 浩昭 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90219618)
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研究分担者 |
田口 真 国立極地研究所, 助教授 (70236404)
森岡 昭 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50004479)
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キーワード | 水星 / 大気光 / 2次元撮像 / 極狭帯域フィルター / 水星磁気圏 / 磁気圏・大陽風相互ダイナミクス |
研究概要 |
水星大気に豊富に含まれるナトリウムは、太陽光の共鳴散乱により地上からの観測で検出可能な強度で明るく発光し、水星大気現象のモニターに好適となっている。本研究では以下の諸点を目的とし研究を進めている。 1.水星大気光観測装置の開発・製作を行い、大気光の変動特性を地上からのモニター観測により導出すること。 2.磁気圏及び太陽風による影響を考慮した水星大気モデルの開発を実施し、モデルと観測結果との比較により、水星大気・磁気圏・太陽風相互ダイナミクスを探究すること。 上記の目的ものと研究が進められ、初年度である平成11年度では以下の成果を得た。 ・水星大気2次元撮像観測装置の開発・製作:水星大気の中性ナトリウムガスのD1 or D2発光輝線検出用の中心波長589.0 or 589.6nm、帯域幅0.1nm以下の極狭帯域フィルター式光学系と既存の高感度CCDカメラ装置を組み合わせた2次元撮像観測装置の開発・製作を行い、プロトタイプの完成をみた。極狭帯域フィルター光学系は、帯域幅1.5nmの狭帯域干渉フィルターを2枚組合せたものであり、低温下での使用も可能なフィルターの温度制御機能を持つ。また、水星と地球の相対運動に伴うガス発光波長のドップラーシフトへの対応のために、各フィルターの入射光方向が独立に制御可能な機能も併せ持ったものである。 プロトタイプの調整を目的とした試験観測の結果、観測が薄暮時の極めて短い時間に限られる水星大気光の定量的な発光量の観測のために、以下の点が次年度への課題となった。 ・光軸の微調整機構の導入とドップラー波長の微調整機構(フィルターの入射光制御部)の機械制御化。
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