• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2001 年度 実績報告書

秩父帯泥質岩の微細構造と変成相

研究課題

研究課題/領域番号 11640444
研究機関筑波大学

研究代表者

久田 健一郎  筑波大学, 地球科学系, 助教授 (50156585)

キーワード秩父帯 / イライト結晶度 / out-of-sequence thrust / in-sequence thrust / スリップ・センス / deformation phase / 付加体 / 関東山地
研究概要

本研究では,まず浜平層群を含む南部秩父帯の岩相層序や地質構造の見直しを行った.調査地域の南部秩父帯を乙父沢層,両神山チャート層,浜平層群に区分し,浜平層群を野栗沢層,両神層,大ガマタ層,川上層に区分し,御巣鷹山スラスト・三国山スラスト・両神山スラストの3スラストと諏訪山断層を認定した.また,本地域のイライト結晶度(IC値)は0.30から0.75の範囲にあり,三国山・御巣鷹山スラストでギャップを生じながら海側に向かって系統的に増加することが判明した.これらの構造は付加物質の埋没とその後のout-of-sequence thrust活動で形成したと推定される.一方,本地域の非対称変形構造を用いてスリップセンスを決定し,本地域のDeformation phaseをスリップセンスによりphaseIからphaseVに5区分した.phaseIからphaseIVは付加体内のスラスト運動,phaseVは付加後の横ずれ断層運動に対比される.上盤側のスリップセンスは古いものからtop to NSW-SW,SW,SSE-SE,SSW,Eである.これら5phaseの形成時期は,堆積年代や構造関係より中期ジュラ紀-前期白亜紀に限定できる.すなわち本地域の地層は中期ジュラ紀から前期白亜紀にかけて,in-sequence thrustやduplexによる堆積物の付加や重複により形成し,4-7km埋没した.その後,白亜紀前期に少なくとも2度の活動が確認されるout-of-sequence thrustにより上昇し,付加体はさらに厚層化した.付加物質はさらに陸側に移動し,横ずれ断層運動を起こした.本研究で明らかとなった内部構造は現世付加体で確認された付加体内部構造と対比ができ,スリップセンスより推定されるプレート移動方向も同時代のプレート運動と調和的である.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Ueno Hikaru: "Slip sense of the Southern Chichibu Belt"Ann. Rep., Inst. Geosci., Univ. Tsukuba. 28. (2002)

  • [文献書誌] Ueno Hikaru: "Tectonic Evolution of East Asia"Hee Jae Koh & Young Sup Choi. 151 (2001)

URL: 

公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi