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2000 年度 実績報告書

浅海砂州におけるストーム堆積作用とその地層への保存能

研究課題

研究課題/領域番号 11640457
研究機関大阪市立大学

研究代表者

前島 渉  大阪市立大学, 理学部, 助教授 (20173700)

キーワードストーム / 堆積相 / 陸棚堆積物 / 沿岸州 / 海浜 / 河口州 / ストーム流
研究概要

本年度は主に兵庫県北部の村岡累層と島根県西部の唐鐘累層を対象に調査研究を行なった。また、高知県西部の三崎層群竜串層についても、補足的な調査を行なった。ここでは村岡累層と唐鐘累層についての成果を記す。村岡累層の湯舟川黒色頁岩部層にみられるストーム堆積物は、ハンモッキー斜層理砂岩からタービダイトにいたる一連の堆積相スペクトラムをなす。これはストーム時に砂を沖合へ運搬した流れが混濁流としての特性をもっていたことを強く示唆する。ハンモッキー斜層理砂岩層の基底にはしばしはソールマークがみられ,それらの方向は北〜北北西-南〜南南東方向に集中する。タービダイト砂岩層中の非対称リップル葉理の示す古流向も、やはり北〜北北西向きが卓越する。両者ともストーム流の方向を示すとみなされる。村岡累層が堆積した北但堆積盆は北に開いた堆積盆であり、ほぼ北向きの古流向はストーム流が陸棚域において沖向きに流れていたこと、すなわちストーム流が地衡流ではなく混濁流としての特性をもっていたという考えと調和的である.
唐鐘累層の金周布部層にはファンデルタ前縁が波浪再動作用によって形成された海浜堆積物がみられ、ストームによる海浜浸食とストーム後の海浜回復過程を良く記録している。海浜堆積物は、浸食基底面をもち沖方向へ緩く傾く礫岩の傾斜層、陸方向へのフォアセットをもつプラナー型斜層理砂岩、沿岸2方向性の古流向を示すトラフ型斜層理砂岩からなる。礫岩の傾斜層はストーム時の海浜浸食を示す。プラナー型斜層理砂岩は、ストーム時に沖へもたらされた物質がストームの減衰とともに沿岸洲をつくりながら海浜へ戻されていったことを示す。沿岸洲の成長と陸方向への移動は主としてストームの余波としての強いうねりの作用のもとで進行したとみなされる。トラフ型斜層理砂岩は、沿岸洲の成長とともに顕在化してきた沿岸トラフの堆積物とみなされる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 中条武司: "Storm-modified delta system in the Miocene Misaki Group, Shikoka, southwestern Japan."Journal of Geosciences, Osaka City University. 43. 31-55 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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