| 研究概要 |
1.北海道北部,留萌地域の峠下層について,下位層との層序関係の把握,層相の側方変異の確認と対比を行うとともに,試料を採取し微化石調査を行った.その結果,従来,峠下層とされていた北部地区の砂泥互層が峠下層よりも古い時代の地層と推定されるため,それを確認にするため浮遊性微化石による検討を行っている.
2.北海道南部,奥尻地域の釣懸層について試料を採取し,既存試料と併せて微化石調査を行った.釣懸層は寒冷化以前の中新統下部であることを確認したが,一部地区に分布するものが寒冷化期の中部中新統にあたる可能性があるため,さらに精査することにした.
3.北海道南部,知内地域の大安西川層・木古内層・厚沢部層を調査し,層序関係の把握と試料採取を行った.大安西川層は報告されているように含海緑石層を基底とする木古内層に整合的に覆われることが確認したものの,微化石調査に適する試料は採取できなかった.そのため,再調査を行う予定でいる.
4.山形県尾花沢の銀山層について試料を採取し微化石調査を行った.その結果,底生有孔虫は寒冷性群衆よりなることが明らかとなり,中新統上部にあたると推定した.
5.栃木県烏山地域の既存試料について有孔虫調査を行ない,その群集変化の特徴から中期中新世初期の深海化と気候の寒冷化が明らかになったものの、既存のデータと一致しない部分があることから,さらに詳細な変動を検討することにした.また,引き続き中期中新世の後期〜後期中新世の変化を調査している.
6.有孔虫の分類学的検討の基礎となる有孔虫データベース・システムを構築し,暫定的な使用を開始した,現在,利用効率を高めるための検索システム作成を検討中である.
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