日本および東アジア産の中・古生代魚類化石に関する古生物学的研究

1999 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 11640469
• 研究機関: 鶴見大学
• 研究代表者: 後藤 仁敏 鶴見大学, 歯学部, 助教授 (90014208)
• キーワード: 日本 / 東アジア / 中生代 / 古生代 / 魚類化石 / 軟骨魚類 / 板鰓類 / サメ類

研究概要

1.日本産古生代板鰓類化石に関する分類学的・形態学的研究として、岐阜県上宝村福地の一ノ谷層(中部石炭系)産の板鰓類のCladodus sp.,Agassizodus sp.、宮城県本吉町の千松層(上部ペルム系)産の淡水性板鰓類Orthacanthus sp.などの歯化石の記載をおこなった。
2.日本産古生代ペタロダス類の歯化石に関する分類学的・形態学的研究として、岐阜県上宝村福地の一ノ谷層(中部石炭系)および水屋ヶ谷層(下部ペルム系)から産生した古生代軟骨魚類・ペタロドゥス類のpetalodus allegheniensis Leidy,?Janassa sp.などの歯化石の記載をおこなった。
3.日本産古生代コクリオドゥス類の歯板化石に関する分類学的・形態学的研究として、岐阜県上宝村福地の一ノ谷層(中部石炭系)から産出した古生代軟骨魚類・コクリオドゥス類の?Deltodus sp.,Poecilodus sp.などの歯板化石の記載をおこなった。
4.その他、日本産古生代魚類化石の復元、その生物層位学的・生物地理学的検討、日本産中生代サメ類化石の総括、岐阜県大垣市の赤坂石灰岩(ペルム系)産魚類化石の総括、白亜紀と第三紀のラブカchlamydoselachus sp.の歯化石の産出報告、板鰓類の歯の用語の検討、現生のメガマウスザメMegachasma pelagiousの歯と小歯の組織学的研究などをおこなった。

研究成果

• [文献書誌] 後藤仁敏: "日本産古生代魚類化石の復元"月刊海洋. 号外16号. 45-53 (1999)
• [文献書誌] 後藤仁敏: "メガマウスザメNO.7♀の歯・皮小歯・粘膜小歯・鰓耙組織学的構造"エナメル質比較発生学懇話会記録(ACBTE). 6巻. 9-18 (1999)
• [文献書誌] 後藤仁敏,伊達芳正,加納学: "夕張市および貝塚市の上部白亜紀から発見されたラブカの歯化石と標本"日本古生物学会第148回例会予稿集. 20 (1999)
• [文献書誌] 矢部英生,後藤仁敏: "板鰓類の歯に関する用語"化石研究会会誌. 32巻1号. 14-20 (1999)
• [文献書誌] 後藤仁敏: "サメの歯の組織学"化石研究会会誌. 32巻1号. 27-28 (1999)
• [文献書誌] 後藤仁敏,サメの歯化石研究会: "日本産のラブカ歯化石とラブカ類の進化"地学団体研究会第53回総会シンポジウム・ポスター要旨集. 143-144 (1999)
• [文献書誌] 後藤仁敏: "サメ類の歯の形態学(その6)-日本産の中生代サメ類の歯化石について-"歯科基礎医学会雑誌. 41巻5号. 414 (1999)
• [文献書誌] 後藤仁敏,大倉正敏: "赤坂石灰岩より発見されたペルム紀魚類化石"日本地質学会第106年学術大会講演要旨. 45 (1999)
• [文献書誌] 後藤仁敏: "古生代脊椎動物の生物層序学的・生物地理学的意義"IGCP特別シンポジウム-21世紀の地球環境とIGCP-. 19-20 (1999)
• [文献書誌] 後藤仁敏,人見友幸,山澤隆: "姫浦層群(白亜紀後期)および富岡層群(第三紀中新世)から発見されたラブカの歯化石2標本について"日本古生物学会2000年年会講演予稿集. 75 (2000)
• [文献書誌] 矢部英生,後藤仁敏,兼子尚知: "オオハザメCarcharocles megalodon(Agassiz)の層位学的生存期間についての再検討"日本古生物学会2000年年会講演予稿集. 76 (2000)
• [文献書誌] 後藤仁敏: "IGCP-406:Circum-Arctic Palaeozoic Vertebratos(1956-2000)「北極圏を取り巻く地域の古生代脊椎動物」"日本IGCP活動報告1999. 14-15 (1999)
• [文献書誌] 濱田隆士・後藤仁敏ほか: "特別展図録:のぞいてみよう!5億年前の海〜三葉虫が見た世界〜"神奈川県立生命の星・地球博物館. 80 (1999)
• [文献書誌] 後藤仁敏: "唯臓論"風人社. 239 (1999)