研究概要 |
1.日本産古生代軟骨魚類化石の分類学的・形態学的研究として,岐阜県上宝村福地の一ノ谷層(中部石炭系)産の板鰓類Cladus sp.,Agassizodus sp.の歯,ペタロドゥス類Petalodus allegheniensis, Japassa sp.の歯,コクリオドゥス類Poecilodus sp.および新属新種4種の歯板の記載をおこなった(原稿訂正中)。 2.日本産白亜紀および第三紀板鰓類の分類学的・形態学的研究として,北海道三笠市および夕張市の上部蝦夷層群(Santonian),大阪府貝塚市および泉南市の和泉層群(Maastrichtian),熊本県竜岳町の姫浦層群(Santonian),群馬県富岡市および安中市の富岡層群(中新世)から産出したラブカChlamydoselachus sp.の歯化石について,研究を進めている。このうち、富岡層群産のラブカの歯化石について論文(高桑ほか,2001)として発表し、白亜紀産のラブカ類については第3回国際中生代魚類会議で口頭発表し、現在論文を投稿中である。 3.新生代資料としては,富山市科学文化センターにおけるオオハザメCarcharocles megalodonの顎の復元と、石川県七尾市の七尾石灰質砂岩層(中新世)産Isurus planusの歯の計測法について報告した(後藤・後藤,2002;水津ほか,2001)。 4.その他、サメ類にみられるさまざまな型の異常歯について、その成因について考察した(金子・後藤,2001)。また、脊椎動物における歯の進化上の5つの結節点について発表(Goto,2001)し、ヒトの歯の個体発生と系統発生について子どもにも理解できるような絵本(後藤・後藤,2001)を出版した。
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