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1999 年度 実績報告書

島弧火成岩のセリウム異常の原因

研究課題

研究課題/領域番号 11640472
研究機関東北大学

研究代表者

藤巻 宏和  東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90133933)

研究分担者 大場 司  東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10272014)
石川 賢一  東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20158744)
吉田 武義  東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80004505)
キーワード希土類元素 / セリウム異常 / 島弧火山岩
研究概要

三瓶火山、八丈島東山火山、八丈島西山火山、設楽火山岩類、小笠原父島火山、小笠原母島火山、一の目潟火山、中国華北省張家口付近の白亜紀火山岩等、数多くの火山岩の希土類元素の精密分析を誘導結合プラズマ質量分析法で行い、セリウム濃度の異常を示す岩石試料の発見を試みた。既に伊豆・箱根地方の火山の玄武岩の中にはセリウムの負異常を示すものが見つけられているが、全て軽希土類元素に乏しい岩石に限られており、あまり明瞭なセリウム負異常とは言えない。今回は軽希土類元素に富む岩石を分析し、明瞭なセリウム負異常の発見に努めた。今回の試料では八丈島の試料だけが軽希土類元素に乏しく、伊豆・箱根地域に共通の微小なセリウムの負異常が見られた。八丈島を除いて、明瞭なセリウムの負異常は見つからなかったが、小笠原父島、小笠原母島の第三紀カルクアルカリ火山岩類も高マグネシア安山岩も下に凸な独特の希土類元素規格化パターンを示す。小笠原父島・母島の岩石は軽希土類元素に富んでおり、わずかなセリウム負異常では認めにくい。このことから、セリウムの負異常は、若い形成されつつある島弧に限られるわけではないこと、沈み込みはじめたスラブの直上で起きるらしいことが考えられる。またセリウムの負異常は軽希土類元素に乏しい岩石に限定されていると考えられる。セリウムの負異常と、軽希土類元素の欠乏とは対応しており、軽希土類元素の多い岩石にセリウムの負異常は期待できないし、無いと考えるべきであろう。またこのことは、セリウムの負異常を引き起こす原因と、軽希土類元素の欠乏の原因は同じであると考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Miyamoto T.,Fujimaki H.,Hasenaka T.,Taniguchi H,.Kitakaze A.: "Preliminary investigation of the Continental mantle materials beneath Kuandian, Liaoning, Northeastern China"Northeast Asian Studies. 2巻. 1-8 (1998)

  • [文献書誌] Miyamoto T.,Fujimaki H.,Ohba T.,Hasenaka T.,Taniguchi H.,Kitakaze A.: "Major and some trace elements in the volcanic rocks from Olremg island, Korea"Northeast Asian Studies. 2巻. 9-20 (1998)

  • [文献書誌] Miyamoto T.,Fujimaki H.,Hasenaka T.,Taniguchi H.: "Continental mantle xenaliths beneath Wangging Jiliu province, northeastern China"Northeast Asian Studies. 3巻. 233-248 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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