• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2000 年度 実績報告書

超臨界水フローリアクターを用いた模擬海底熱水噴出孔環境下での有機物の合成

研究課題

研究課題/領域番号 11640488
研究機関横浜国立大学

研究代表者

小林 憲正  横浜国立大学, 工学部, 助教授 (20183808)

研究分担者 柳川 弘志  慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40327672)
金子 竹男  横浜国立大学, 工学部, 助手 (50191987)
キーワード超臨界水 / フローリアクター / 海底熱水噴出孔 / アミノ酸 / ストレッカー反応 / 化学進化 / 生命の起源 / クエンチ反応
研究概要

1970年代末に発見された海底熱水噴出孔は,化学進化的にも極めて興味深いものであり,これまで種々の系での模擬実験が行われてきたが,多くは閉鎖系を用いたものであった。本研究では実際の海底熱水系により近いと考えられる超臨界水熱水フローリアクターを作成し,そこでの有機物の生成反応について調べることを目的とした。
本研究において作成したフローリアクターはHPLCポンプ,赤外線ゴールドイメージ炉,コールドバス,圧力コントロールバルブなどから構成されており,加圧状態で任意の温度で2〜10分間加熱後,急冷(クエンチ)することができる。これを用いて海底熱水系を模擬した種々の化学反応を行うことが可能となった。本フローリアクターを用いた実験により,400℃,25MPaという,海底熱水系深部に近い環境下で,種々のアミノ酸の生成を含む有機合成反応が起こりうること,特に400℃という超臨界温度においては,通常の熱水条件と異なった反応が起こることが示された。例えば,ホルムアルデヒド,シアン化物イオン,アンモニウムイオンからは室温ではグリシンしか生成しないが,超臨界水中ではV-アミノ酪酸やδ-アミノ吉草酸など,より複雑なアミノ酸の生成が認められた。また,超臨界状態ではグリシンの水溶液から未同定の分子種が生成した。今後,反応の解析のため,この分子種の同定を試みていく予定である。
また,海底熱水系を模擬した実験のためには,種々の金属イオンや鉱物,メタン・硫化水素などのガスなどが共存した系での実験が望まれる。本フローリアクターにガスや鉱物(固体)を直接導入することはできない。そのような実験のための実験装置の開発が望まれる。特に硫化水素は海底熱水系の反応を特徴づける化学種である。高温高圧下で硫化水素に耐えうる材質の選択が必要である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Md.N.Islam: "Construction of a Supercritical Flow-Reactor to Simulate Submarine Hydrothermal Systems"Viva Origino. 28. 9 (2000)

  • [文献書誌] K.Kobayashi: "Complex Organics in Space to Life' A New Scenario of Chemical Evolution"Proceedings of Symposium on Artificial Life and Robotics. 6. 361-364 (2001)

  • [文献書誌] Md.N.Islam: "Strecker-type Reactions by Using a Supercritical Water Flow Reactor Simulating Submarine Hydrothermal Systems"Viva Origino. 29(in press). (2001)

  • [文献書誌] K.Kobayashi: "Structure and function of Biological Systems under Extreme Conditions : Pressure and Temperature Effects (Ed.By Y,Taniguchi et al.)"Springer Verlag (in press).

URL: 

公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi