研究概要 |
ヒト血精アルブミン(HSA)の1.0,2.0,3.0,4.0,5.0wt%水溶液を用意し,その近赤外スペクトルを測定した。さらにそれらのスペクトルとともに二次元相関スペクトルの計算を行った。この二次元相関近赤外スペクトルの解析から次のような知見が得られた。i)HSAの二次構造は60℃付近で突然変化する。ii)タンパク質の水和もやはり60℃付近で大きく変化する.おそらく水和の変化と二次構造変化は平行して起こる。i)ii)の解析には二次元相関近赤外スペクトルのスライススペクトルの利用がきわめて有効であることがわかった。 さらに二次元相関近赤外分光法による酸変性における卵白アルブミン水溶液のモルテングロビュール状態についても調べ,pH2.8以下ではアミド基の水素結合状態の変化と水和の変化が独立して起こることを明らかにした。
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