超音速ジェット中の分子を、その分子のイオン化しきい値より数cm^<-1>低エネルギーの領域にレーザー励起することにより、非常に大きな主子数(n=100〜200)と大きな軌道半径(〜μm)をもつ、超高リュードベリ分子が比較的安定(〜数μs)に生成されることが近年わかってきており、その物性について興味がもたれている。 本研究課題は、この超高リュードベリ分子Aの巨大電子雲中に別分子Bを挿入した場合、単なる錯体カチオン(AB)^+と異なる物性が出せるのか?、出せるとしたら超高リュードベリ電子の軌道半径や角運動量状態を制御することにより、その物性を制御しうるのかを追求することを目的として開始された。超高リュードベリ分子により生成される巨大電子雲は制御可能なマイクロスコピックな電磁場であり、電場・磁場を用いた化学反応制御の新たな手法となることが期待される。ベンゼンーアルキルベンゼン混合クラスター系についてPFI-ZEKEスペクトルの測定等をおこない研究をすすめている。
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