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1999 年度 実績報告書

光電子移動反応によるラジカル生成とその有機合成反応への展開

研究課題

研究課題/領域番号 11640535
研究機関島根大学

研究代表者

宅和 暁男  島根大学, 総合理工学部, 教授 (70032456)

研究分担者 西垣内 寛  島根大学, 総合理工学部, 助教授 (00212118)
キーワードアリルスズ / アリシラン / 光電子移動 / ラジカル / アリル化反応 / α-ジケトン
研究概要

二官能性アリル14族金属試剤である3-トリブチルスタニル-2-(トリメチシリルメチル)プロペン(アリルシラン/アリルスズ複合試剤)存在下でペンジルを光励起すると光電子移動反応がおこり、アリルシラン部位を持つメチルラジカルが発生した。このメチルラジカルはべンジルセミジオンラジカルとカップリングすることにより、アリルシラン部位を有するα-ケトホモアリルアルコールを高収率で与えた。また、3-トリフェニルスタニル-2-(トリフェニルスタニル)メチルプロペン(アリルスズ/アリルスズ複合試剤)を電子供与体とすると、アリルスズ部位を持つメチルラジカルが発生し、このラジカルがセミジオンラジカルとカップリングすることにより、アリルスズ部位を有するα-ケトホモアリルアルコールを高収率で与えた。これらのα-ケトホモアリルアルコーは同一分子内に求電子性のカルボニル基と求核性のアリルシランあるいはアリルスズ部位を同時に持つ分子であることから、従来法のルイス酸誘起反応では調製困難であり、またその分子構造から更なる変換可能な物質である。
また、電子受容体として1,2-ナフトキノンを用い、電子供与体としてアリルスズ試剤を用いた反応では,アリルスズ試剤が光一電子酸化されて生じたアリルラジカルの位置選択的導入を可能にする手法の開発の糸口が見いだされた。即ち熱反応ではキノンカルボニルにアリル基のγ位で導入されるのに対し、電子移動により生じたアリルラジカルはキノンカルボニルにアリル基のα位で結合することが明らかとなった。
このように、初年度の研究実績としてジケトンを電子受容体、アリルスズおよびその複合試剤を電子受容体とする光電子移動反応から生成するラジカル種を利用する特異な炭素-炭素結合反応が開発できた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Akio Takuwa: "Allylsilation and Stannylation of 1,2-Diketones using Bifunctional Allylsilane-Allylstannane Reagents via Photoinduced Electron Transfer Reaction"Chemical Communications. 1999. 1963-1964 (1999)

  • [文献書誌] Yutaka Nishigaichi: "Contrasting Regiochemistry in Thermal and Photochemical Allylstannations of 1,2-naphthoquinone"Chemistry Letters. 1999. 803-804 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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