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2000 年度 実績報告書

チオラートを用いた立体選択的マイケル/アルドールタンデム反応の確立と合成的展開

研究課題

研究課題/領域番号 11640536
研究機関山口大学

研究代表者

上村 明男  山口大学, 工学部, 助教授 (30194971)

キーワードマイケル付加 / アルドール反応 / ラジカル環化反応 / タンデム反応 / 立体選択性 / テトラヒドロフラン / 反応機構 / NMR
研究概要

前年度に得られた結果を用いて、タンデム反応で導入したセレン官能基の合成的利用と、反応機構的考察を行った。
1)リチウムをカウンターカチオンとして用いたタンデム反応の生成物の水酸基をプロピオール酸メチルでアルケニル化してから水素化トリブチルスズと反応させると、ラジカル環化して2,3,5-トリ置換テトラヒドロフランが立体選択的に単一の異性体として得られた。生成物の立体化学は2,3-trans-3,5-transであった。またマグネシウムをカウンターイオンとして得られたタンデム生成物を同様の条件で環化させると、やはり高い立体選択性でテトラ置換テトラヒドロフランが得られた。このとき新たに生成する2,5-位の立体化学はやはりcisであった。また、ラジカルセンターとなる4位の立体化学は、出発物質の立体配置にかかわらず常に同じ傾向となった。
2)本タンデム反応の立体選択性の原因を調査するためにNMRを用いて反応系中の直接観測を試みた。その結果、リチウムを用いた場合はリチウムイオンがアルデヒドカルボニルに配位していることが示唆されるものの、特に強い相互作用は認められなかったが、マグネシウムを用いた場合では、マグネシウムチオラートがまずアルデヒドを攻撃し1,2-付加体を形成していることがわかった。この付加体はTBSOTfを用いることでトラップでき、マグネシウムを用いた場合の反応中間体を明らかにすることができた。また、リチウムとマグネシウムを用いた立体選択性の逆転に一つの示唆を与える結果となった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Akio Kamimura: "A ready preparation of syn-NH-amide aldols and amide-Baylis-Hillman adducts via Michael/aldol tandem process"J.Chem.Soc.Perkin Trans.I. ・24. 4499-4504 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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