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2000 年度 実績報告書

多元的相互作用を有するジイミン白金錯体による有機-無機複合電子系の構築

研究課題

研究課題/領域番号 11640566
研究機関奈良女子大学

研究代表者

加藤 昌子  奈良女子大学, 大学院・人間文化研究科, 助教授 (80214401)

キーワードジイミン白金錯体 / 分子間相互作用 / π-π相互作用 / 白金間相互作用 / 集積発光 / 高歪み錯体 / 積層構造 / ベイポクロミズム
研究概要

1.多重相互作用系の構築と発光状態のチューニング.
ジシアノビピリジン白金(II)の赤色結晶(Red Form)は,白金直鎖構造を持ち,室温でも強い赤色の発光を示す。本研究で、この結晶が空気中の水分子に鋭敏に感応して起こる赤色【double arrow】黄色の変化、"vapochromism"を観測し、X線構造解析と発光測定からそのメカニズムを解明した。すなわち、Red Formは空気中の水分子を取り込んで黄色結晶(Yellow Form)に変化し、また、乾燥空気中や有機溶媒雰囲気下では、逆にYellow FormはRed Formに変化する。今回、新たに不安定なYellow Formの構造決定に成功した。その結果、Yellow Formのスタッキング構造は、はじめに予想されたような白金間距離が伸びた構造ではなく、横ずれをしたジクザク構造であることがわかった。空気中の水分子を取り込んで、CN^-と水素結合を形成することによりスタッキングの歪みが起こり、発光変化をもたらすことが明らかとなった。
2.歪んだπ共役系を持つ(ジイミン)白金(II)錯体の発光変化.
昨年合成に成功した配位立体障害を持つ錯体、ジクロロビキノリン白金(II)やビス(ジイミン)白金(II)錯体の構造と発光特性について引き続き検討した。その結果、[PtCl_2(biq)](PF_6)_2結晶の構造解析にも成功したが、やはりπ共役配位子が異常に歪んだ特異な構造が見い出された。対応する錯体より低エネルギーに現れる発光は歪みにより低エネルギー化したMLCT状態の影響を強く受けていると考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Masako Kato: "Luminescence Properties and Assembled Structures of Dicyano (diimine) platinum (II) Complexes in Glassy Solution"Molecular Crystals and Liquid Crystals. 343. 35-40 (2000)

  • [文献書誌] Tomoyo Funayama: "Studies of the Lowest Excited Triplet State of [Pt (i-biq)(CN)_2] by means of Time-Resolved EPR and Optical Spectroscopy"Bulletin of the Chemical Society of Japan. 73. 1541-1550 (2000)

  • [文献書誌] Masako Kato: "Selective formation of the integrated stacks of (α-diimine)(ethylenediamine)-platinum (II) and neutral π systems of the phenanthrene type"Journal of the Chemical Society, Dalton Transactions. 747-752 (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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