研究課題/領域番号 |
11640587
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
五島 綾子 静岡県立大学, 経営情報学部, 助教授 (80046284)
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研究分担者 |
伊吹 裕子 静岡県立大学, 環境科学研究所, 助手 (30236781)
五島 廉輔 静岡県立大学, 環境科学研究所, 教授 (70046275)
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キーワード | ADP / water:pool / ミクロ界面 / 縮重合 / 陽イオン性逆ミセル / 非イオン性逆ミセル / poly(A) |
研究概要 |
ある種の界面活性剤は極聖の低い有機溶媒中で水滴を包みこむように逆ミセルを形成する。この逆ミセルの内殻水(water pool)と界面活性剤単分子層のミクロ界面は水の性質や極性や静電場を制御でき、分子認識も可能な酸素に類似した特異な触媒機能を有する多重反応場としてとらえられてきた。本研究では逆ミセルのこのミクロ界面を利用したヌクレオチドの重合化を試みる。 逆ミセルとしては陽イオン性のHexadecyltrimethylammonium chloride(HTAC)と非イオン性のOctaethyleneglycol dodecylether(C_<12>E_8)をそれぞれisooctaneとoctanolの混合溶媒中で水とともに溶解し、逆ミセルを形成する。これら逆ミセルのミクロ界面でADPの脱リン酸化を伴う縮重合化をPolynucleotide phosphorylase(PNPase)を用いた場合と用いない場合で検討した。 実験方法は37℃でC_<12>E_8逆ミセルにTris緩衡液で^<14>C-ADP、Mg^<2+>を溶解し、pH9.0に調整し、Wo(=[水]/[界面活性剤])を20にして重合化を試みた。その結果、C_<12>E_8逆ミセル系では重合化は進行しなかった。しかしPNPaseを用いて検討した結果、ADPの重合はAerosol OT逆ミセルに比べ収率は低いが、進行した。さらに興味あることはFe3+イオンの場合は濃度が1/200の濃度で3倍の収率で、しかも生成されたpoly(A)は80%が沈降し、分離しやすいことが判明した。 一方、HTAC逆ミセル系では酸素なしの場合、ろ過法で10%poly(A)が得られた。このろ過物をADPの重合物と確認するため、エタノールで洗い、ODSカラム、イオン交換カラム、限外ろ過を組み合わせて、HTACと金属イオンの除去法を確立し、キャピラリー電気泳動法で確認した結果、trimer程度のものしかできておらず、現在さらに詳細に検討中である。
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