研究課題/領域番号 |
11640588
|
研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
山中 淳平 名古屋市立大学, 薬学部, 助教授 (80220424)
|
研究分担者 |
橋本 竹治 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20026230)
米勢 政勝 名古屋市立大学, 薬学部, 教授 (00080218)
|
キーワード | コロイド / コロイド結晶 / 固-液相転移 / 超微粒子 / ゲル / 電解質 / クラスター / 少数多体系 |
研究概要 |
申請の研究計画に従って本年度は実験系の構築を目指し、目的としていた系、すなわちゲルマトリクス中に調整した微小空間に、数100-数1000個のイオン性コロイド粒子を含む分散液を拘束した系を得ることに成功した。構築にあたっては、試行錯誤ののち、次の方法が有効であることを見出した。まず、イオン性コロイド粒子である高分子ラテックス(粒径:600nm)分散液中、リン脂質を用いて直径数10μmのリポソーム(中空ベシクル)を調製することにより、リポソーム内部に数100-数1000個のラテックス粒子を含む分散液を拘束した。次に、このリポソームの分散液をアガロースゲルにより固定し、ゲルマトリクス中にリポソームを固定化した。さらに、得られたゲル試料を界面活性剤溶液に浸し、リポソームを除去することにより、目的の系を得た。得られた試料中のコロイド粒子の運動および空間配置を、位相差顕微鏡および共焦点レーザースキャン顕微鏡により調査した。空孔内部のラテックス粒子は自由粒子と同様のBrown運動を示し、ゲルに固定されているのではなく、ゲル中の微小空間に拘束されていることが確認できた。また、用いたラテックス分散液の結晶化を顕微鏡法により調査し、バルクの分散液については、添加塩濃度および粒子濃度を変数とした、固-液相転移の相図を得た。現在、拘束した微小分散液の結晶化条件を調査している。次年度は、結晶化条件の拘束空間サイズによる変化を調査する。
|