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1999 年度 実績報告書

金属元素を含む分子性結晶の作成と伝導性・磁性の研究

研究課題

研究課題/領域番号 11640593
研究機関山口東京理科大学

研究代表者

井口 眞  山口東京理科大学, 基礎工学部, 助手 (80291821)

キーワード分子性伝導体 / BEDT-TTF / パラジウムオキサラト錯体 / 相転移 / 電気抵抗 / 磁化率 / 反射スペクトル / 温度依存性
研究概要

1.(BEDT-TTF)_x[Pd(ox)_2](ox=oxalate:C_2O_4^<2->)
(1)結晶作成:BEDT-TTFとK_2[Pd(ox)_2](支持電解質)と18-crown-6-etherの1,1,2-trichloroethane溶液から定電流(0.5μA)の電解合成法により、約10日間で板状結晶が得られた。
(2)赤外反射スペクトル:結晶の長軸・短軸方向の赤外反射スペクトルは、両方向に分散をもち、結晶面内の異方性は小さい。これまでに測定したスペクトルの形状は類似しており、結晶は一種類と考えられる。
(3)電気伝導性:電気抵抗は、室温から金属的な挙動を示して徐々に減少するが、220K付近で急に大きくなるとびを示し、それより低温では半導体的に増加する。半導体領域の200-50Kは熱活性化型であり、それ以下では活性化エネルギーが徐々に小さくなる。
(4)磁性:SQUID磁束計で測定した磁化率の温度依存性には、225Kに急激な減少が観測され、ここを境に、冷却で徐々に減少する領域から温度依存性の小さい領域に変わる。また、70K付近から減少していく。
電気抵抗と磁化率に見られる225Kでの変化は、相転移と考えている。今後は、結晶構造・組成を決め、低温での赤外反射スペクトル・ラマンスペクトル、圧力下での電気抵抗の測定を行い、相転移と70Kでの変化について調べていく。
2.回転式微量油圧ポンプ
結晶の圧力下の電気抵抗は、4端子を付けた結晶を圧力媒体と高圧セルに入れ、油圧プレスで加圧しながら測定する。このための回転式微量油圧ポンプを作製した。これを用いて油圧の加減圧を微調整しながら行い、弱い有機結晶の圧力下の電気抵抗を細かく測定することが可能になった。

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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