研究概要 |
1 メタンの芳香族化反応の触媒としてこれまで唯一Mo/HZSM-5が飛び抜けた性能を有することが知られていた研究目的の研究計画(1)にある,本反応を特異に発現する触媒機能の探索中,新たにRe/HZSM-5が,メタンの反応率でもベンゼンへの生成物選択率でも,Mo触媒に匹敵する触媒特性を有することを見い出した.さらに,Re触媒の反応活性相を,XAFSを使ってメタン反応使用後の触媒から調べたところ,殆どがRe金属に還元されており,カーバイド相が主成分であったMo触媒とは違う活性相上で反応が進行していることが示唆された. 2 研究目的の研究計画(3)にある,ReあるいはMoの担体としてHZSM-5に加えHMCM-22,HZSM-11,H-β,HZSM-12,H-Ferrierite,H-L,HSAPO-5の7種のゼオライトを使った触媒を調製し,メタンの芳香族化反応でテストした.その結果,ReあるいはMo何れの場合も、芳香族化合物とほぼ同じサイズの細孔径を有するHMCM-22とHZSM-11担持触媒がHZSM-5担持触媒に類似の触媒性能を与えることが解った. 3 1,2の実験結果を踏まえ,今年度は研究計画にある2元系カーバイドを作る可能性のあるMoと他金属の組み合わせに加えReと他金属とを組み合わせてゼオライト担体に担持した触媒を調製し触媒活性および選択性の向上を目指す.さらに,CO/CO_2のメタン中への添加による触媒活性の安定性と組み合わせより高効率の触媒プロセスの開発を行う予定である.
|