研究概要 |
メタンの芳香族化反応の触媒としてこれまで唯一Mo/HZSM-5が飛び抜けた性能を有することが知られていた.そこで、研究目的の研究計画(1)にある,本反応を特異に発現する触媒機能を探索した。先ず、17種の中心金属をHZSM-5に担持した触媒を調製し反応に供した。その結果、新たにRe/HZSM-5が,メタンの反応率でもベンゼンへの生成物選択率でも,Mo触媒に匹敵する触媒特性を有することを見い出した。さらに,Re触媒の反応活性相についてXAFSを使ってメタン反応使用後の触媒から調べたところ,Re金属が活性相と判明し,カーバイド相が主成分であったMo触媒とは違う活性相上で反応が進行していることが示唆された。 研究目的の研究計画(3)にあるReあるいはMoを担持し良好な結果を与えるHZSM-5以外の担体を探索するため、MCM-22,ZRP-1,ZSM-11,β,ZSM-12,FER,L,SAPO-5の7種のゼオライトに加えFSM-16、アルミナを担体として使った触媒を調製し,メタンの芳香族化反応でテストした。その結果,ReあるいはMo何れの場合も,芳香族化合物とほぼ同じサイズの細孔径を有するHMCM-22,ZRP-1,HZSM-11担持触媒がHZSM-5担持触媒に類似の触媒性能を与えることが解った。この細孔径の制限は、生成した芳香族化合物は通過することが出来るが、触媒毒となるcoke生成を抑制する鋳型効果によるものと考える。以上とこれまで我々が報告してきた結果を合わせると、本反応を特異に発現するの触媒機能として1中心金属としてMo,Reを含み2担体は5.3-5.6Åの細孔径を持ち3SiO_2/Al_2O_3比が大きく、B-acidのあるゼオライトの3個を明らかにした。 さらに、研究目的の研究計画(4)金属複合機能型触媒について、LaをMoやReに添加すると触媒活性や安定性の向上をもたらすことを明らかにした。
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