研究概要 |
(1)窒素気流中773Kで熱処理したNi(0.1atm%)-ドープZnSが,可視光照射下でK_2SO_3とNa_2S混合水溶液からの水素生成反応に,Ptのような助触媒を用いなくても活性を示した。その量子収率は420nmで1.3%となった。可視光吸収バンドの吸収端から見積もられたエネルギーギャップは2.3eVであった。 (2)NiOを助触媒に用いた水の光分解に高い活性を示すNaTaO_3光触媒にLn(Y,La,Pr,Nd,Sm,Gd,Tb,Dy)をドーピングすることにより,ドーピングしていないものに比べてその活性が飛躍的に向上した。その中で,LaをドーピングしたNaTaO_3がもっとも高い活性を示し,その量子収率は,270nmにおいて約50%に達した。また,そのドーピングにより,nonドーピングのNaTaO_3で見られた失活が抑制された。これらの効果は,Lnドープによる粒径の減少と特徴的なステップ構造によると示唆された。 (3)NiOを担持したK_2LnTa_5O_<15>が,紫外光照射下(hν>3.8-4.1eV)で,純水の水素と酸素への完全光分解反応に活性を示した。その光触媒活性はLnの種類に大きく依存し,K_2LnTa_3O_<15>(Ln=Pr,Sm)が高い活性を示した。
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