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2000 年度 実績報告書

糖鎖による超分子中の水の運動性及び水素結合特性の磁気共鳴法による検出と応用研究

研究課題

研究課題/領域番号 11640605
研究機関東京水産大学

研究代表者

渡部 徳子  東京水産大学, 水産学部, 教授 (40092382)

研究分担者 松川 真吾  東京水産大学, 水産学部, 助手 (30293096)
キーワード多糖鎖 / ゲル / 超分子構造 / NMR緩和 / スピンプローブESR / 拡散係数計測 / 水の運動性 / 水素結合
研究概要

1.高分子-水間の動的相互作用を検出する手法の確立
(1)ソリッドエコー法による10μsオーダーのT2緩和時間の計測法の確立:濃厚水溶液中の高分子鎖の運動は極めて制限されており、T2が短くなる。また、低温領域で凍結した水分子においてもT2はl0μsのオーダーになる。このように短いT2緩和時間は通常のスピンエコー法では検出できない。ソリッドエコーパルスシーケンスを用いた解析法を確立した。温度コントロールと組合わせた自動計測システムとして構築した。
(2)高分解能NMR(300MHz)により、高分子鎖の遅い拡散係数計測システム、およびNMRマイクロイメージングシステムを組み合わせて遅い拡散計測システムの構築を計り最適条件を模索している。
(3)プロトン交換を伴う系のT2緩和時間および拡散係数同時解析システムの構築:パルス磁場勾配スピンエコーシーケンスのタイミングを変化することにより、T2緩和成分比を保持した状態において拡散成分比の評価を可能にした。
(4)プロトン交換を含んだ系のT2緩和の理論を数値解析するプログラムを開発し、その適応性をゾルーゲル転移及びコイル-ヘリックス転移に適応し、転移機構の解明を行った。
2.濃厚プルラン溶液中の水について:
上記1.(1)及び1.(3)の方法により解析し、T2緩和成分を10μsオーダーの凍結水、70-100μsの高分子鎖中のinertプロトン、及び1ms以上の交換可能な高分子プロトン、水和水プロトン、自由水プロトンの熱運動平衡値を識別することが出来た。不凍水量の評価を可能にした。
3.ジェランによる2価陽イオン取りこみ:
ジェランガムのゾル-ゲル転移過程におけるCu2+の特異的な挙動をESRで捕らえ、ジェランガムの超分子構造形成の要因となるCu2+の取り込み機構を解明した。
4.ゼラチン水溶液のゲル化機構をNMR緩和計測、CD及び粘弾性測定を組み合わせて解明した。
5.スターチ、タンパク質系における繰り返し凍結解凍による水の存在状態の変化をスピンプローブESR法により解明した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Sho Kanesaka: "Cu (II)-Bridged Crosslink Structure Between Polysaccharide Chains in Gellan Gum Solution Studied by EPR"Trans.Material Res.Sci.Jpn. 26(in press). (2000)

  • [文献書誌] Kinuko Abe: "Kinetics for Structural Change of Gelatin Studied by Viscoelasticity, CD and 1H-NMR Measurements"Trans.Material Res.Sci.Jpn. 26(in press). (2000)

  • [文献書誌] Tokuko Watanabe: "Nuclear Magnetic Resonance Vol.29"The Royal Society of Chemistry. 26 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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