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1999 年度 実績報告書

シロイヌナズナのアルコール脱水素酵素遺伝子発現の集団遺伝学的解析の解析

研究課題

研究課題/領域番号 11640620
研究機関京都大学

研究代表者

宮下 直彦  京都大学, 農学研究科, 助教授 (20212243)

キーワードシロイヌナズナ / ハクサンハタザオ / アルコール脱水素酵素 / プロモーター / 種内変異 / 中立進化
研究概要

アルコール脱水素酵素遺伝子座の5'上流領域約2kbの塩基配列を、シロイヌナズナの14エコタイプと近縁種ハクサンハタザオの5系統について決定した。Adh遺伝子から約400bpさかのぼった地点までに、Adhの発現を調節する配列要素のあるプロモーター領域が存在する。分子進化の中立説によれば、機能的重要さと種内変異量や種間分化の程度の間には、負の相関があることが期待される。しかし、この領域にシロイヌナズナの種内変異と、シロイヌナズナとハクサンハタザオの間の種間分化のピークが存在した。一方、より上流の1.6kbの領域には、そのような種内変異のピークは存在しない。種内の場合、プロモーターの配列要素自体の中には変異は存在せず、また種間の比較では、indel変異によって配列要素とAdh遺伝子との間の距離関係が変化していた。この結果は、中立説に反するように考えられるが、明確な結論は得られていない。また、シロイヌナズナのAdh転写領域に検出されていた2つの分化した配列型(二型)はプロモーター領域で消滅し、より上流の領域には存在しない。もし、二型が分集団構造における中立変異の単なる蓄積の結果であれば、周辺にも広くひろがっている可能性がある。しかし、そうでないことは二型が単なる中立進化の産物ではないことを示唆する。しかし、種内変異のピークの存在しない上流領域では、統計的に有意に中立性が棄却され、同時に高い組み換え率が推定された。したがって、自然選択によって変異が蓄積しなかったか、蓄積していたとしても組み換えによって二型がランダマイズされたことは否定できない。したがって、現段階では、二型の起源は依然不明である。今後、ADH活性とmRNA量の定量を行い、自然選択の可能性を直接的検証する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] MIYASHITA,NT,AKAWABE and H.INNAN: "DNA variation in the wild plant Arabidopsis claliaus revealed by amplified fragmentlength polymorphirin analysis gopic"Genetics. 152. 1723-1721 (1999)

  • [文献書誌] KAWABE,A,and NT MIYASHITA: "DNA variation in the *o*ic chitinase locus(ChiB) region of the wild plant Arabidopsis thaliane"Genetics. 153. 1445-1453 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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