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1999 年度 実績報告書

多階層格子シミュレーション解析によるカワラノギクの動態予測と絶滅リスクの評価

研究課題

研究課題/領域番号 11640631
研究機関東京大学

研究代表者

嶋田 正和  東京大学, 大学院・総合文化研究所, 助教授 (40178950)

研究分担者 鷲谷 いづみ  筑波大学, 生物科学系, 助教授 (40191738)
キーワードカワラノギク / 格子モデル / 環境変動 / 撹乱効果 / 環境の非同調性 / 絶滅リスク評価 / シミュレーション解析 / 種子散布
研究概要

カワラノギクの絶滅リスクを評価するために、格子モデルによるシミュレーション解析、及び野外調査・実験室での発芽実験を行った。格子モデルは、1つの地区を5x20のセルを持った格子モデルで表し、この地区内では、1つのセルの種子は隣接セルに飛散し、さらに中距離移動として、少々離れたセルからの種子の飛来も取り入れた。この地区ごとの格子モデルを10の地区で緩く連結して、多階層格子モデルにし、地区間の環境の非同調性の効果などを調べられるようにした。地区間の環境の非同調性は、洪水による丸石河原の生成頻度が上流と下流で異なること、地区ごとの集団サイズに依存した人口学的確率性の揺らぎが異なる程度でかかることを想定している。
パラメタの値は、鷲谷らの長期データを用いて推定し、さらに多摩川の府中市四谷地区・羽村市草花地区において方形区を設けて発芽個体・実生・ロゼットの生存率を追跡する調査と、培養器で砂地の鉢植えで給水条件を変えて飼育したときの発芽・実生定着実験により推定した。洪水データは、倉本(1995)の調査に依った。
シミュレーション解析の結果、1つの丸石河原が生成してから多年草の侵入により生息適地でなくなるまでの年数と洪水頻度の2つのパラメタが、カワラノギクの絶滅リスクに大きく関係していることが推定できた。一部の成果は、国際シンポ「絶滅のリスク評価」で発表され、さらに論文が印刷中である。多階層格子による環境の非同調性を考慮した解析の本格的なものは平成12年度に予定している。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Shimada, M. & Ishihama F.: "Asynchronization of local population dynamics and persistence of a metapopulation : a lesson from an endangered herb, Aster kantoensis"Popul. Ecol.. 42(inpress). (2000)

  • [文献書誌] 嶋田正和: "あの花はどこへ行ったの?-滅び行く植物の時空間動態。"生命論パラダイムの潮流(丸善). (印刷中). (2000)

  • [文献書誌] Washitani I.: "Creeping 'fruitless falls': reproductive failure in heterostylous plants in fragmented landscapes""The Biology of Biodiversity" (M. Kato ed.) (Springer). 133-145 (1999)

  • [文献書誌] Muraoka H., Tang Y., Terashima I., Koizumi H. and Washitani I.: "Contibutions of diffusional limitation, photoinhibition and photo-respiration to mid-day depression of photosynthesis in Arisaema..."Plant, Cell and Environment. (in press). (2000)

  • [文献書誌] Araki S, and I. Washitani: "Seed dormancy/germination traits of seven Persicaria species and their implication in soil seed bank strategy"Ecological Research. (in press). (2000)

  • [文献書誌] 鷲谷いづみ: "生物保全の生態学"共立出版. 182 (1999)

  • [文献書誌] 鷲谷いづみ・飯島博: "よみがえれアサザ咲く水辺-霞ヶ浦からの挑戦"文一総合出版. 229 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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