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2000 年度 実績報告書

高地の低大気圧環境に対する個葉の順化・適応機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 11640638
研究機関北里大学

研究代表者

横井 洋太  北里大学, 一般教育・基礎科学センター, 教授 (90007758)

研究分担者 坂田 剛  北里大学, 一般教育・基礎科学センター, 助手 (60205747)
キーワード個葉光合成 / 葉中窒素量 / 葉中タンパク質量 / ルビスコ / 低大気圧 / 葉内ガス拡散コンダクタンス / イタドリ / オンタデ
研究概要

前年度までに明らかになった,高地低大気圧がC_3光合成に及ぼす効果をふまえ,本年度は高地に生育する植物の低大気圧への順化・適応状況を明らかにするための分析を行った.
分析には前年度まで材料に用いてきた低地型及び高地型のイタドリに加え,富士山五合目付近で高地型イタドリと同所的に生育するオンタデを材料に用いた.各材料の葉中窒素量および炭素量の測定に加え,昨年度に開発した手法を用いて葉中蛋白量・ルビスコ量及びルビスコ活性の測定を行った.
低地型と高地型のイタドリの葉のルビスコ活性を比較した結果,葉面積あたりのルビスコ活性に有意な差は認められなかった.前年度に行った,低地型と高地型イタドリの葉のガス交換速度の理論的解析からも両型のルビスコ活性に差が見られないことが予測されており,独立した二種類の分析結果いずれもが,イタドリの葉面積当たりルビスコ活性に差がないことを示していた.また,葉面積当たりの窒素量・タンパク量・ルビスコ量のいずれにも両型間で有意な差は見られず,これらの形質が高地低大気圧に対する順化や適応に関わっている可能性が低いことが示唆された.一方,葉内のガス拡散コンダクタンスは高地型で小さいことが推測されており,高地型イタドリがおかれている環境と何らかの関係があることが示唆された.
また,オンタデは葉面積当たりの窒素量及びタンパク量がイタドリに比べ20%以上低く有意に異なることが明らかになった.一方葉面積当たりのルビスコ活性に有意な差は見られず,オンタデは葉タンパク質当たりのルビスコ活性がイタドリより約20%高いことが明らかになった.また,SDS-PAGE法によるルビスコ量測定によっても葉タンパク当たりのルビスコ量がオンタデで多い傾向が認められた.
また,今年度までに得られた成果を報告するための論文を投稿する準備をほぼ完了した.

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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