• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2002 年度 実績報告書

低二酸化炭素下での光合成機能制御の分子遺伝学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 11640648
研究機関奈良先端科学技術大学院大学

研究代表者

鹿内 利治  奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教授 (70273852)

キーワード光合成 / 電子伝達 / 葉緑体 / 光科学系I / 光障害 / 変異株 / シロイヌナズナ / 遺伝学
研究概要

シロイヌナズナpgr5は、強光下で光化学系IIから過剰光エネルギーを熱として捨てることができないため、高いクロロフィル蛍光を発する変異株として単離された。この異常は、熱散逸誘導に必要なチラコイドルーメンの酸性化が不充分であることに起因する。pgr5の電子伝達解析から、この変異株は光化学系I循環的電子伝達に異常を示すことが明らかになった。pgr5で影響を受けていたのは、長いこと分子的実体の未知であった、フェレドキシン依存経路であった。PGR5は、新規の低分子チラコイド膜タンパク質をコードし、フェレドキシン依存経路に関わる遺伝子が初めて明らかになった。pgr5は、二酸化炭素フリー大気中で熱散逸を誘導することができず、フェレドキシン依存の光化学系I循環的電子伝達が、本研究が目的とした、低二酸化炭素下での光合成機能制御に、非常に重要な役割を果たすことが明らかになった。また、この電子伝達は光化学系Iに電子がトラップされることを防ぐことで、光化学系Iを光障害から守っていることが明らかになった。
さらに本年度は、フェレドキシン依存経路とともに光化学系I循環的電子伝達に機能するNDH依存経路のシロイヌナズナ変異株を単離した。crr2は、葉緑体遺伝子ndhB(NDH複合体サブユニットをコード)の発現に必須なタンパク質をコードすることが明らかになった。crr2はpgr5と異なり、電子伝達に異常を示さなかった。NDH依存経路は、PGR5依存経路に補助的に機能すると考えられる。現在、crr2 pgr5の二重変異体の解析を行い、光化学系I循環的電子伝達の生理機能と二つの経路の機能分担を解析中である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Munekage Y., Hojo M., Meure J., Endo T., Tasaka M., Shikanai T.: "PGR5 is involved in cyclic electron flow around photosystem I and is essential for photoprotection in Arabidopsis"Cell. 10. 361-371 (2002)

URL: 

公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi