研究課題/領域番号 |
11640655
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
植物生理
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研究機関 | 姫路工業大学 |
研究代表者 |
小池 裕幸 姫路工業大学, 理学部, 助教授 (60201480)
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研究分担者 |
菓子野 康浩 姫路工業大学, 理学部, 助手 (20221872)
佐藤 和彦 姫路工業大学, 理学部, 教授 (00090522)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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キーワード | 灰色藻 / シアネル / 包膜 / 葉緑体 / 進化 / ラン藻 |
研究概要 |
灰色藻Cyanophra paradoxaはcyanelleという光合成器官を持つ。これは独立生活をするラン藻によく似た特徴を持っている。真核光合成生物のプラスチドはラン藻の祖先種が細胞内共生したことにより成立したとされている。その意味でラン藻の性質を色濃く残しているC.praradoxaのcyanelleの包膜はプラスチドの成立過程を推定するのに貴重な研究材料である。本研究ではこの包膜を単離し、その性質からプラスチドの成立過程を推定することを目的とした。 単離した無傷cyanelleをリゾチーム処理した後破砕した抽出液からショ糖密度勾配浮上遠心法により包膜を単離した。その結果2種類のカロチノイドに富む画分が分離された。一つは浮上密度1.12g/cm^3を持ち、ゼアキサンチンに富んでおり、内包膜に相当する画分であると考えられた。しかしもう一つの画分はβ-カロチンに富んでいたが、浮上密度は1.00g/cm^3以下であった。また、電子顕微鏡観察からは、これは膜構造を有してはおらず、外包膜画分ではなかった。 一方界面活性剤処理してチラコイド膜を可溶化した残渣にカロチノイドに富む画分が得られた。この画分の浮上密度は1.18g/cm^3と推定され、これもゼアキサンチンに富んでいた。ラン藻の外膜もこれとよく似た性質をもっていることから、この画分はcyanelleの外包膜に相当すると考えられた。 単離された外包膜はタンパク質の組成からは植物のそれと似ていたが、浮上密度、界面活性剤に対する抵抗性はラン藻的な性質を持っていた。一方内包膜のタンパク質組成はラン藻の原形質膜に似ていた。以上のことからcyanelleの包膜はラン藻と高等植物のキメラのような性質を持っていた。これはラン藻の外膜が宿主細胞の細胞膜と融合した状態に相当すると考えることが出来、共生関係が成立したときの様子をそのまま保っていると考えることが出来る。
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