小麦のwgp7遺伝子はGTPaseをコードし、小胞体輸送に関与する。wgp7の転写レベルは、傷や病原体や紫外線(UV C)処理による酸化ストレスが引き起こす細胞死条件下ですみやかに誘発される。本年度はこの誘発機構を解明するため、wgp7遺伝子の5'上流域の分離と性格づけを行った。PCR法により、wgp7の翻訳開始位置から約2kb上流のゲノムDNAを分離した。塩基配列を決定し、いくつかのシス配列と思われる領域を同定した。プライマー伸長反応により、転写開始位置を決定中である。wgp7遺伝子プロモーターの欠失変異を作り、GUSレポーター遺伝子につないだ。これをパーティクルガン法により小麦の葉やカルスに導入しその発現を調べた。予備的な結果では特UV Cで誘発が起こった。以上の方法で5'上流域で発現に必須な部分を調べている。さらにwgp7プロモーター/Gus遺伝子をイネに導入し、時間的、空間的なwgp7遺伝子の酸化ストレス条件下での発現様式を検討中である。
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