研究課題/領域番号 |
11640660
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研究機関 | 秋田県立大学 |
研究代表者 |
小野 道之 秋田県立大学, 生物資源科学部, 助教授 (50201405)
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研究分担者 |
宮城 布明 秋田県立大学, 生物資源科学部, 流動研究員
上田 健治 秋田県立大学, 生物資源科学部, 助手 (80279504)
井上 正保 秋田県立大学, 生物資源科学部, 教授 (90176446)
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キーワード | 花芽誘導 / 花成誘導 / 概日リズム / 光周性 / 日長感受性 / アサガオ / シロイヌナズナ / germin-like protein |
研究概要 |
日長感受性は植物では花成などを制御する、生物に重要な性質である。申請者らが単離したGLP(germin-like protein)遺伝子は、日長感受性を反映した転写調節を受けることが判明した植物界で最初の遺伝子であり、日長感受の分子機構を調べる手がかりになるものと考えている。本研究では、長日植物シロイヌナズナと短日植物アサガオのGLP遺伝子のプロモーターを比較して解析することを目的とした。シロイヌナズナのAtGLP1,AtGLP2のプロモーター領域の解析では、レポーター遺伝子としてルシフェラーゼ及びβ-glucuronidaseを接続して、シロイヌナズナの形質転換植物を作成した。その結果、AtGLP1,2は共に地上部、特に葉で強い発現を示すこと、概日リズムの発現制御に関しては、ルシフェリンの発光をモニターすることによってNorthernよりも明瞭な変動が観察されることなどが示された。現在、プロモーター領域を削り込んで詳細な検討を進めている。一方、アサガオのPnGLPに関しては、ゲノム遺伝子を核ゲノムライブラリーよりクローン化して解析した。PnGLPのcDNAをプローブとした核ゲノムのSouthernで検出していた3つのゲノム領域の全構造が明らかになった。1つは機能するPnGLPをコードする遺伝子と考えられるものであり、プロモーター領域にTAが15回繰り返す特異な構造があり、シロイヌナズナの遺伝子との相同性は極めて低かった。一方、残る2つは植物界でも新奇なトランスポゾンの中に全コード領域が含まれており、互いに構造が似ていることから比較的新しく転移・重複したものであると推測された。これらが発現しているかどうかなど、詳細な解析を進めている。
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