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鶏胚胚盤葉期以降の内胚葉形成について調べた結果、原条形成直前に明域後縁部の胚盤葉上層から新たな内胚葉細胞が出現して胚盤葉下層に侵入し原条の伸長と共に既存の下層を胚外の明域前縁部に押しやりながら前方に拡大すること、原条形成後ヘンゼン結節から既報と異なり主に前方へ向かって内胚葉が侵入することが示され、両内胚葉共に胚内(消化管)内胚葉へ寄与する可能性が示された。胚盤葉期鶏胚前半へのアクチビンの局所投与による異所性の原条(二次胚)誘導の確認と詳細な解析により、アクチビンは投与近傍部で内在性誘導因子発現を引き起こしこれにより原条を誘導する可能性が示された。この原条の結節部分からの正常発生同様の前方へ拡がる内胚葉の出現を確認し、アクチビンにより(恐らく間接的に)誘導された二次胚において胚盤葉上層から胚内内胚葉形成が起こる可能性を示した。インビトロでアクチビン処理した胚盤葉上層前部小片の培養により、顕著でないものの濃度依存的な各種中胚葉の分化を確認した(よって、他因子の誘導を介する間接的なアクチビンの作用である可能性とも矛盾しない)。この小片は内胚葉である下層細胞も一部含むためアクチビンによる内胚葉誘導は確証できない(アクチビンによる中胚葉誘導が報告されている、内胚葉を含まないはずの原条期胚の各部からも、本実験条件下で無処理で内胚葉が分化することが分かり、鶏胚でインビトロ系でアクチビンの内胚葉誘導作用を調べる事は困難であると思われた)ものの、脊索の分化時に多量に出現する多様な消化官上皮は胚内内胚葉形成の可能性も示唆した。しかし、脊索による下層由来内胚葉への部域化誘導(別の実験よりの知見)の可能性もある。膵臓の分化は背側中胚葉の分化に関わらず高濃度のアクチビン処理で見られ、アクチビンが膵臓内胚葉の出現に関与する可能性が示された。
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