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1999 年度 実績報告書

棘皮動物における「結合組織キャッチ」仮説の再検証

研究課題

研究課題/領域番号 11640685
研究機関国際基督教大学

研究代表者

高橋 景一  国際基督教大学, 理学研究科, 教授 (40011481)

キーワード結合組織キャッチ / コラーゲン / 結合組織 / 棘皮動物 / ウニ / BDM / 力学的性質 / ミオシン
研究概要

結合組織キャッチとは,コラーゲン性の結合組織がその力学的性質を可逆的に変化させる現象で,棘皮動物門全体にわたってみられる.その機構は,コラーゲン繊維と繊維間基質の相互作用に由来する粘弾性変化に基くとする説が有力であるが,最近,ウニの棘基部にある"catch apparatus"(CA)のキャッチ現象は少数の筋細胞の活動によって説明できるとする仮説が提出された.このような状況下で,本研究は筋細胞を含まない結合組織とされる,ウニ棘中央靭帯の形態と機能を詳細に調べ,さらにCAキャッチへの筋収縮の関与を従来とは異なる角度から検討することによって結合組織キャッチの機構解明に寄与することを目的とする.
本年度は,棘基部のCAのキャッチに筋収縮が関与しているという仮説を検証するため,CAの力学的性質に対するミオシン阻害剤2,3-butanedione-2-monoxime(BDM)の効果を検討した.その結果,BDMがCAのキャッチを完全に阻害することが明らかになった.このことは,筋細胞の関与を強く示唆するものである.つぎに,ガンガゼの中央靭帯(CL)の力学的・生理学的性質について再検討を試みた.その結果,CAのキャッチを引き起こすアセチルコリンや,キャッチの弛緩を引き起こすアドレナリンは,CLに対しても同様の効果を持つこと,さらにBDMがCLの伸展性を増大させることが明かになった.この結果は,中央靭帯は筋細胞を含まず,(したがって)キャッチを示さないとする一部の主張とは一致しない.CLの細胞要素などについてはさらに検討を要する.

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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