研究概要 |
1.中国産のFissidens(ホウオウゴケ属)はこれまでに41種が記録されていた。今回,多くの標本を研究し、4種(F.angustifolius Sull.,F.closteri Aust.subsp.kiusiuensis(Sak.)Iwats.,F.longisetus Griff.およびF.subbryoides Gang.)を追加した。他に各省に多くの新記録を追加した。 2.これまで分類学的に不明な部分が多かったF.involutus Wils.ex Mitt.〔シッキム産〕とF.curvato-involutus Dix.〔インド産〕の多くの標本を詳細に研究した。F.involutusはこれまでにアジア各地から記録されているF.plagiochiloides Besch.と同種であり、学名はF.involutusを使うべきであることが判った。一方、F.involutusに近縁とされてきたF.curvato-involutusは、前種よりずっと小型で、中肋が葉先に届かず、葉身細胞も大きいことから、明瞭に区別できることが判った。 3.中国で1985年に記載されたFissidens guangdongensis(ニセチャイロホウオウゴケ)を静岡県島田市で見つけ、日本新産として報告した。 4.日本産の多くの標本を研究し、新種と考えられるFissidens 3種を見出した。これら3種の詳細は近く論文として発表の予定である。 5.1999年7月に北海道で調査を行ない、資料を検討中である。
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