研究概要 |
1.日本産のホウオウゴケ属(Fissidens)3新種(F. neomagofukui Z. Iwats. & Tad. Suzuki, F. pseudoadelphius Z. Iwats. & Tad. Suzuki,及びF. fujiensis Z. Iwats. & Tad. Ssuzuki)を詳細に研究し,原稿を完成した,原稿はJournal of the Hattori Botanical Laboratory, no.92に投稿した. 2.服部植物研究所所蔵のベトナムのコレクション中に,ホウウウゴケ属のOctodiceras亜属に属する1新種を見出した.本亜属の種は一般に寒冷な地域のきれいな水中に生育するが,本種は熱帯に成育し,葉の腹翼が全長の3分の2に達することで,近縁種から区別される.平成14年度中に論文として発表の予定である. 3.欧米の標本庫に所蔵されているボルネオ産のFissidens longevaginatus Dixon, F. autoicus Ther. & Dixon, F. pachy-phyllus Dixon,及びインド産のF. pulchellus Mitt.の基準標本を研究し,形態の詳細を明らかにした.同時に服部植物研究所所蔵のボルネオ産及びインド産のホウオウゴケ属のコレクションの研究を行い,多くの知見を得た. 4.服部植物研究所に所蔵されている蘚苔植物の文献及びインデックス。カードをもとに,世界に産するホウオウゴケ科の種のデータベースの入力を行い,ほぼ2分の一を終わった.また,ホウオウゴケ属を含む,インド亜大陸産の蘚類の種のリストを作成した. 5.2002年7月に岩手県の石灰岩地で野外調査を行つた.調査資料を研究中である.
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