研究課題/領域番号 |
11650008
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 東北大学 (2000) 東京大学 (1999) |
研究代表者 |
宇佐美 徳隆 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (20262107)
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研究分担者 |
宇治原 徹 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (60312641)
佐崎 元 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (60261509)
中嶋 一雄 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (80311554)
白木 靖寛 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (00206286)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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キーワード | 顕微フォトルミネッセンス / 半導体量子ドット / 半導体量子井戸 / 変調ドーピング / 帯電励起子 / 電子局在 / 間接遷移型半導体 |
研究概要 |
本研究においては、(1)極微プローブ光を用いた分光技術を確立し、微視的な界面揺らぎを評価すること、および、(2)微視的な揺らぎの影響を取り除き、低次元量子構造固有の物性評価を行うことを目的として研究を行った。分光法としては、光学測定のプローブ光を顕微鏡用の対物レンズを用いて極限まで絞る顕微分光技術と、試料表面に微少な開口部を設けるリソグラフィ技術を融合することにより、空間分解能を向上させた。 研究の対象には、化合物半導体量子構造を選んだ。化合物半導体量子構造は、光デバイスや電子デバイスの高性能化、および新機能の発現を目指して、量子細線、量子ドットなど低次元構造の研究が盛んに行われている材料である。サイズの微小化に伴い、界面や組成の微視的な揺らぎが物性に与える影響の重要性が増すことを考慮し、研究の対象に選定した。 実際に、InGaAs/GaAs量子井戸界面の顕微分光を行ったところ、マクロな分光法では、測定が困難な微視的なポテンシャルゆらぎに束縛された励起子からの発光の観測に成功した。また、スペクトルの成長温度依存性から、成長温度が高い場合、Inの表面偏析により界面の急峻性は乏しくなるが、平坦性は、低温成長と比較して優れていることが明らかになった。 また、変調ドープを施した量子ドット中に外部電場をかけて顕微分光を行うことにより、帯電励起子の観測や、ドット内の電子数制御に成功した。 新たな量子構造作製にも取り組み、電子局在のための超薄膜と量子井戸を融合した構造により間接遷移型半導体の光学遷移確率を飛躍的に改善させることに成功した。量子ドットの積層に伴う歪み場により、成長様式が大きく変化することを見出した。
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