| 研究概要 |
1.SNOM装置の試作
SNOMとしての基本性能を確かめるために音叉型水晶振動子の電極を分離し,片方に光ファイバーを取り付け,他方で信号検出した。約40kHZと130kHzとに共振点が現れ,それぞれ1次,2次のモードに対応している。2次のモードの共振特性を利用することによりいわゆるACモードでの探針制御により試料の凹凸像を得ることができた。試料にはスライドガラス上の金蒸着膜を2μm角の市松模様状にエッチングしたものを用いた。
2.剪断変形によるパルスエコー
従来の超音波探針顕微鏡では,タングステン探針の根本に伸縮変形する圧電体を貼り付け探針先端を伸縮変形させて反射波の位相変化を検出していた。伸縮変形では試料表面を塑性変形させる恐れがあり,他の方法で凹凸を制御したうえで音響インピーダンスの情報を取り出す必要がある。5MHzで共振する勢断変形圧電体を直径0.5mmφのタングステン探針の根本に貼り良好な剪断変形パルスエコーを得ることに世界で初めて成功した。しかしながら,探針の深さ方向へ距離変化に対して剪断変形による接触による信号変化は伸縮変形を利用した場合のように単調ではなく,従来のパルス重畳法を用いての凹凸像検出は不可能であった。複合材料ネフマックの表面を研磨後,金を蒸着しSTMとして探針を制御しながら勢断変形による信号を映像化することはできたが,その映像の解釈はできていない。
3.送り装置とアクチュエータの開発
SPMとして粗動機構に空中レトラクト方式を考案していたが審査請求し許可を取得した。また,送り装置に円筒型圧電体を用いる方式を発明し,共同出願した。
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