研究課題/領域番号 |
11650039
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
近藤 公伯 筑波大学, 物理工学系, 講師 (80225614)
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研究分担者 |
本田 博史 筑波大学, 物理工学系, 助手 (10302390)
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キーワード | 超短パルス高出力レーザー / ポンデラモーティブ力 / レーザー航跡場 / 位相制御 / 周波数領域干渉法 / プラズマ波 / レーザー航跡場の2次元イメージ / レーザー加速 |
研究概要 |
超短パルス高出力レーザーをガス中に集光し、集光強度が十分に高くなればトンネル電離現象で発生した自由電子はポンデラモーティブ力により集光部から排斥される。レーザーが通過した後はポンデラモーティブ力が消えるため、排斥された自由電子はプラズマ周波数で振動する。すなわち電子プラズマ波が誘起される。このようなプラズマ波のことをレーザー航跡場と呼び、例えば荷電粒子の加速等に利用できるといわれている。本研究ではこのようなレーザー航跡場の位相制御を実験的に実現すべく、まずその第一段階としてレーザー航跡場のダイナミクスの2次元観測を行った。ターゲットにはHeガス0.4torrを使用し、同軸方向から2倍波高調波によるプローブを行った。時間的に離れた2つのプローブパルスを周波数領域の干渉法により干渉させ、フーリエ解析により希薄なプラズマがもたらすミリラジアン程度の位相差を観測した。時間分解計測の結果、プラズマ波がターゲットガス密度から評価できるプラズマ周波数で振動していることが分かった。また、一回の計測で一次元情報を入手することができるが、観測スリットを移動させてデータを取り、1次元位相差情報を画像として再構成することでレーザー航跡場の2次元イメージを取得することに成功した。またこの際、励起レーザー光の集光パターンが歪んでいたため、2次元的に歪んだ航跡場が起っていることが実験的に明らかになった。従来の軸対象線形理論に方位角依存性を考慮して計算したモデルと比較した結果、実験で得られたものと矛盾しないことが明らかになった。
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