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2000 年度 実績報告書

量子Zeno効果を用いた量子系の制御

研究課題

研究課題/領域番号 11650043
研究機関京都大学

研究代表者

北野 正雄  京都大学, 工学研究科, 教授 (70115830)

キーワード量子Zeno効果 / 光ポンピング / スピン
研究概要

本研究の目的は,量子系の制御のための新たな手段として量子Zeno効果を用いることを提案し,その有効性を実証してゆくことである.量子Zeno効果を利用すると,観測や緩和といった非ユニタリー過程によって量子系の運動を制御することができる.過程の非ユニタリー性にも拘らず確率密度は保存される.コヒーレンスの消去あるいは破壊が本質的な役割を果たしているのであるが,このようなインコヒーレント過程によってユニタリー過程と同様の確率を保存する運動を実現しうることがとくに興味深い点である.
今年度はまず光吸収のない光ポンピングの実験を高い精度で行なうとともに,理論との比較を行ない,入射光の強度を増して行くと,吸収の絶対量が漸近的に減少することを確認した.その結果は,Phys.Rev.Lett.に投稿中である.また,関連する現象として光ファイバにおけるZeno効果に関する研究も行なった.単一モードファイバではZeno効果が見られるのに対し,マルチモードファイバでは,Zeno効果が現れないことを見い出した.これは,前者において光が波動的に,後者においては粒子的に伝搬することに起因していることが分かった.また,中間的な数モード伝搬の場合についても解析をおこなった.結果はOpt.Commun.に投稿中である.また,最近注目されるようになった反量子Zeno効果に関する理論的,実験的研究を進めている.特に,自然崩壊の系にのみ見られると思われていた反量子Zeno効果が,コヒーレント遷移する系においても起こりうることが明らかになってきた.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 北野正雄: "光の量子Zeno効果"レーザー研究. 28・10. 650-655 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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