研究課題/領域番号 |
11650049
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研究機関 | 姫路工業大学 |
研究代表者 |
新部 正人 姫路工業大学, 高度産業科学技術研究所, 助教授 (10271199)
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研究分担者 |
渡辺 健夫 姫路工業大学, 高度産業科学技術研究所, 助手 (70285336)
木下 博雄 姫路工業大学, 高度産業科学技術研究所, 教授 (50285334)
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キーワード | X線 / 光学素子 / 非球面 / 薄膜 / 多層膜 / リソグラフィ / 内部応力 / 表面粗さ |
研究概要 |
本研究は薄膜の堆積法を用いた新規の非球面形状創製法を提案し、実際に非球面形状を設計・作製・評価することにより、その実用化への問題点を明らかにしていくことを目的としている。堆積法に用いる薄膜はこれまでの予備的研究から多層膜にするとよいことがわかってきたが、真空成膜法で形成した薄膜には、多層膜の場合にも内部残留応力があり、これが基板の変形を起こすことが心配された。 本研究では新たに、ニュートンリング法を用いた簡便な応力測定装置を開発した。カバーグラスのような薄いガラス板に薄膜を蒸着し、オプチカルフラットの基準面に乗せると基板の応力変形による干渉縞(ニュートンリング)が観測される。光学顕微鏡にCCDカメラを取り付け、画像をコンピュータに取り込み、画像処理フリーソフトNIHを使って基板の変形量を求め、薄膜の応力を測定する技術を確立した。 堆積膜として、将来のX線縮小リソグラフィに対応した短波長用の多層膜であるMo/B4Cの組み合わせ材料による多層膜を作製し、その内部応力を評価した。スパッタ法によるアルゴン放電ガス圧を変化させる方法および多層膜の構成膜厚比を変化させる方法により、Mo/B4C多層膜の内部応力を圧縮領域から引っ張り領域まで制御して変えることのできることがわかった。またその際、堆積膜の表面粗さを原子間力顕微鏡等を用いて評価し、多層膜の粗さは放電ガス圧の増加とともに増加するが、その大きさは膜の内部応力が引っ張り側になる高ガス圧領域でも、十分に小さく、反射率の低下への影響は数%以内となることがわかった。
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