投影露光を用いる光リソグラフィは半導体デバイス製造のキーテクノロジィである。デバイスの高性能化、高機能化に伴ってチップ面積が増大しており、投影レンズの露光フィールドをできるだけ大きくしたいが、フィールドの拡大は解像度低下やパタン位置精度の低下につながり好ましくない。本研究では、高解像度を得易い小さいフィールドの投影レンズでも大きいチップが露光できるように、フィールドを滑らかに接続する方法を提案し、その有効性を検討した。台形の光束を用いてフィールドの片側を台形の斜辺により露光量を連続的に変化させて走査露光し、次に隣のフィールドの接続部分を逆の連続的に変化する露光量分布で再度露光するぼかし接続について実験した。台形の斜辺傾角は80゜とした。露光量にほぼ比例して現像深さが変化するレジストを用い、レチクル面における接続部の露光むらを評価した結果、むらは0.5%以下の小さい値であった。そこで、次に、ぼかし接続ができるg線1/10縮小スキャン投影露光実験装置を自作してパタンの接続状況を調べた。投影レンズの開口数は0.35である。フィールドを単純に隣接させて露光したのでは、如何に精度良く接続したつもりでも、つなぎめに露光量の過不足を生じ、パタン形状の不連続を生じてしまう。しかし、ぼかし接続を適用すると、第1の露光と第2の露光間で、露光光束の接続やフィールド間のパタン重ね合わせに多少の誤差があっても、接続部でパタンの形成状況が急変したり不連続となることは無く、極めてなめらかにパタンが接続できることを実証できた。
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