研究課題/領域番号 |
11650057
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研究機関 | 石巻専修大学 |
研究代表者 |
菅原 澄夫 石巻専修大学, 理工学部, 教授 (00007197)
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研究分担者 |
富川 義朗 山形大学, 工学部, 教授 (80007004)
工藤 すばる 石巻専修大学, 理工学部, 講師 (20214968)
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キーワード | 振動ジャイロ / 単一共振モード / 角速度センサ / 有限要素法解析 / コリオリ力 / 等価回路定数 |
研究概要 |
外部振動による影響の少ない高安定な振動ジャイロを実現するには、これまでの著者らの長年の研究の積み重ねから、その重心線上で支持固定する必要のあることを明らかにしてきた。本年度は、まずこの考えを本振動ジャイロに適用して実用的な寸法値が得られるかどうかについて検討した。その結果、振動ジャイロの重心線上の底部両側端2箇所で支持固定する新しい構造が実現できることを明らかにした。本構造は、昨年度の解析結果に基づき、支持固定端の振動変位をさらに低減させるためと側端における重心位置を底部端方向へ移動させるために、底部長を僅か長くすると共に底部の幅も一部広くした構造に発展させたものである。この構造は、支持部を固定しない場合と比較して固定すると共振周波数の変動は5.9ppm以下が達成できる。このため、支持固定部を介して振動ジャイロの振動エネルギーが殆ど漏れない高安定な構造になると考えられる。 本振動ジャイロの基本構造が角速度センサとして動作することが昨年度実験的に確認されているので、さらに本年度は振動ジャイロの電気的特性を圧電性を考慮した有限要素法解析により特性シミュレーションを行った。まず、基本的なステンレススチールに駆動・検出用の圧電セラミックスを接着した振動ジャイロの圧電振動子としての電気的インピーダンスの周波数特性を計算して、これより等価回路定数を算出して実測値と比較したところ、両者は測定誤差の範囲内で良く一致対応することが確かめられた。また、コリオリ力を考慮した有限要素法解析を行い、実験値と比較検討も行った。 残された課題としては、本研究の成果に基づき、水晶などの圧電単結晶を利用した超小型で温度特性の優れた振動ジャイロについて検討したいと考えている。
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