研究分担者 |
中口 悦史 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70304011)
山本 吉孝 大阪大学, 大学院・工学研究科, 講師 (30259915)
八木 厚志 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70116119)
山谷 克 静岡大学, 工学部, 助手 (80293611)
大江 貴司 岡山理科大学, 総合情報部, 講師 (90258210)
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研究概要 |
脳の形状を球で近似した場合に対して,J.Sarvas(1987)は磁場の性質を理論的に考察している.我々はこの結果を用いて,脳内の磁気双極子の推定問題の支配方程式がポアソン方程式となることを導出した.したがって,本研究課題以前の研究として我々が発表している「2次元ポアソン方程式に対する複数双極子の直接的推定法」を3次元に拡張することを検討した結果,3次元問題に対応できると共に,境界上の観測値から双極子が推定可能であることを示すことができた.しかしながら,この方法は重み付き残差表現に基づいた境界上の積分が必要であるために,境界全域にわたる観測点の配置(全周観測)が必要となっている. 一方,脳に対する複数双極子推定問題では首の部分に対する磁場の観測データを得ることは現在では不可能である.境界の一部分に観測点を配置できない問題(部分観測)に対しては,重み付き残差表現に基づく方法とは異なるアプローチが要求される.そこで我々は,新しいアプローチとして代用電荷法を用いることを検討している.現時点では,基本方針の検討と並行してアルゴリズムの一部を作成している段階ではあるが,このアプローチは全周観測ならびに部分観測のいずれかの問題に対しても実用的に適用可能なものと判断している.当面の目標はプロブラム全体の早期作成と数値例の積み上げにより,2つのアプローチの比較を行うと共に,代用電荷法を用いた推定法の実用性を検討することである.
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