研究課題/領域番号 |
11650071
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
長谷川 高陽 愛媛大学, 理学部, 教授 (10029879)
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研究分担者 |
松岡 千博 愛媛大学, 理学部, 助手 (10270266)
飯塚 剛 愛媛大学, 理学部, 助手 (10263922)
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キーワード | 音響放射圧 / ランジュバン放射圧 / レーリー放射圧 / 超音波 |
研究概要 |
本研究は平成11年度から2年計画で行われ、本年度はその第1年にあたる。本研究の目的は、超音波の動力作用の基礎となる音響放射圧の現象について、それが生ずる原因を明らかにすることである。音響放射圧は歴史的には密閉容器の壁に働くRayleighの放射圧と、通常の物体に働くLangevinの放射圧の二つに分けて論じられてきた。しかもそれぞれの放射圧について、種々の異なる理論が提唱されていて、定説といえるものがなく、いわば一種の混乱状態にある。本研究は、Rayleighの放射圧とLangevinの放射圧を同時に記述できる、統一理論の開発をめざすものである。 本年度は、文献収集と予備実験に当てられ、理論の完成は平成12年度の予定であったが、理論の開発が予想以上に進捗し、本年度でほぼ統一理論の完成をみることができた。その要旨は次の通りである。 Rayleighの放射圧とLangevinの放射圧は、ともに流体力学の基本方程式から導かれる2nd orderの音圧の時間平均値として定義される。非線形効果のために、境界条件によっては、静圧の増加が現れることがあり、これがRayleighの放射圧であり、静圧の増加に影響されない実験系における放射圧がLangevinの放射圧である。しかしながら、従来の諸説に反して、いずれの放射圧もスカラーではなく、テンソル性を有する。 この理論の結果、従来の放射圧理論の通弊であったあいまい性が除去されただけでなく、1次元理論から類推された3次元の放射圧理論のすべてが誤りであることが証明された。
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