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1999 年度 実績報告書

植物の葉と花の折畳み・展開構造の生物規範工学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 11650074
研究機関室蘭工業大学

研究代表者

小林 秀敏  室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (10205479)

研究分担者 臺丸谷 政志  室蘭工業大学, 工学部, 教授 (40002018)
キーワード折畳み・展開構造 / 植物の葉 / 折れ線間隔比 / ベクトル解析 / 最適設計 / 展開エネルギ
研究概要

ハンノキの葉はイヌシデの葉と同様に,単葉で羽状派系を持ち,比較的規則正しく波板状に折り畳まれているにもかかわらず,イヌシデの葉は平面的な展開様式を示すのに対し,ハンノキの葉はV字状の展開様式を示す.今年度の研究では,このV字状の展開様式に着目し,この展開様式が生じる原因や,この様式を選択した理由や利点を明らかにするために,ハンノキの葉とイヌシデの葉における折れ線間隔比a^*や2次脈の中央脈に対する角度(葉脈角α)の計測,折畳み数値モデルを用いたベクトル解析を行った.得られた主な結果は,以下のとおりである.
1.ハンノキの葉とイヌシデの葉において,葉脈角αはいずれも,α=50^。〜30^。でありほとんど差は無いが,折れ線間隔比α^*は,ハンノキの葉のα^*はα^*=1.3,イヌシデの葉ではα^*=1.0であった.
2.α^*=1.0の折畳み様式は,折畳み時の面積が最も小さく,ハンノキのα^*=1.3の様式より有利であるが,α^*=1.0の様式は,折れ線となる葉脈が折畳み時に完全に重なる.したがって,α^*=1.0の折畳み様式は,葉脈直径の小さいイヌシデの葉には適するが,葉脈直径が比較的太いハンノキの葉では,葉脈の重なりによりかえって折畳み時の体積の増加をまねくと考えられる.このことから,ハンノキは折畳み時に葉脈の重なりを回避できるα^*≠1.0の様式を採用したと考えられる.
3.ぺーパーモデルを用いた数値解析から,α^*=1.0の折畳みモデルは,展開時に平面を保つが,α^*=1.3の折畳みモデルは,ハンノキの葉の様に展開時にV字状の展開様式を示すことが確認された.
来年度は,掌状脈系に沿ってジャバラ状に折畳まれたモミジの葉に見られるような展開構造に着目し,その力学的特性を明らかにしたいと考えている.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] H.Kobayashi et al.: "Effect of Crease Interval on Unfolding Manner of Corrugated Tree Leaves"JSME International Journal. vol.42 No.9. 759-767 (1999)

  • [文献書誌] 小林秀敏: "植物の葉の折畳みと展開"材料. vol.48 No.12. 1457-1458 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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