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1999 年度 実績報告書

炭素同素体の積極的複合による気相合成ダイヤモンドの飛躍的高じん化

研究課題

研究課題/領域番号 11650075
研究機関東北大学

研究代表者

神谷 庄司  東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00204628)

研究分担者 坂 真澄  東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20158918)
梅原 徳次  東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (70203586)
キーワード気相合成ダイヤモンド / 非晶質炭素 / 薄膜 / 付着強度 / 結晶組織 / 高じん化
研究概要

本研究は、従来気相合成(CVD)ダイヤモンド中の不純物として認識されていた非晶質炭素を積極的に制御することにより有効利用し、ダイヤモンド薄膜のじん性を飛躍的に改善することを目的とするものである。初年度である本年度は、以下の項目に関する研究を行った。
非ダイヤモンド相の複合によるじん性向上メカニズムの解明と制御 種々の条件で合成したCVDダイヤモンドについて、電子顕微鏡によるナノレベルの微視組織の詳細な解析を行った。また同時に、研究代表者らがこれまでに開発した手法を用いてこれらのCVDダイヤモンドのじん性を計測し、合成条件と結晶形態、さらに結晶形態と強度との関係を詳細に把握した。
CVDダイヤモンドにおいては非晶質炭素が結晶粒界面に集中して分布するために粒界強度が結晶粒そのものの強度よりも弱く、これが選択的に破壊してエネルギーを分散することにより、適当な結晶粒径において界面じん性が大きく向上している可能性が初めて指摘された。さらに、界面における結晶の状態を積極的に制御することを目的として、基板バイアス処理が界面じん性に及ぼす影響について検討を行った。
一方CVDダイヤモンド薄膜そのもののじん性については、界面じん性とは異なりメタン濃度の増大とともに単調に減少することが確認された。結晶粒子が大きい場合にはき裂が屈曲して大きなエネルギーを吸収するのに対し、非晶質炭素を多く含む微結晶ではより直線的な進展経路を取るためと考えられる。これらのことから、界面のじん性と膜そのもののじん性とでは破壊様式が異なり、基板上の薄膜の強度を向上させるためには両者に対する条件を別個に制御して総合的最適化を行う必要があることが確認された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 神谷庄司 (高橋博紀、坂真澄、阿部博之): "Si基板上の気相合成ダイヤモンドにおける中間SiC層と界面付着強度"日本機械学会平成11年度材料力学部門講演会講演論文集. 99・16. 85-86 (1999)

  • [文献書誌] 神谷庄司 (井上昭徳、坂真澄、阿部博之): "気相合成法による炭素原子堆積に伴うシリコン基板表面の残留応力に対する分子動力学的考察"日本機械学会第12回計算力学講演会講演論文集. 99・5. 25-26 (1999)

  • [文献書誌] S.Kamiya (H.Takahashi,A.Kobayashi,M.Saka and H.Abe ): "Fracture strength of chemically vapor deposited diamond on the substrate and its relation to the crystalline structure"Diamond and Related Materials. (印刷中). (2000)

  • [文献書誌] S.Kamiya (H.Takahashi,R.Polini and E.Traversa): "Quantitative determination of the adhesive fracture toughness of CVD diamond to WC-Co cemented carbide"Diamond and Related Materials. (印刷中). (2000)

  • [文献書誌] K.Umehara (K.Kato,M.Bai and Y.Miyake): "Effect of internal stress of CNx coating on its wear in sliding friction"Surface and Coating Technology. 113. 233-241 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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